!!!第7回おさらい !!今日のおしながき *運動方程式を解く **ばねの振動 *仕事とエネルギー **仕事と運動エネルギー !!今日のまとめと反省 前回はばねの振動の運動について,問題設定をして,運動方程式を書いて,特解まで求めたところで終った.今日はその続きで,代数方程式に落として,それが実数解を持たない場合はどうしようという問題である.もちろん?おかまいなく解いてしまいます.大学生は虚数も恐く無いのである.手順書に従って一般解まで求めてしまう.そうすると,答えは虚数を含むことになり,少々困惑することになる.しかし,初期条件をいれてみるとちゃんと実数の世界に戻ってくることが出来る.もし,振動する関数として,三角関数をよく知っているならば,オイラーの公式を使って三角関数で表すこともできる.高校のときに振動の公式としてならったかもしれない式も一般解から出しておく.これは未知変数に関する変数変換をすることで求めることが出来る.振幅Aと位相差Φを使って書くことが出来るので,物理的なイメージをしやすい.一方で,その公式には虚数がでてこないことに注意しよう.変数変換でなにかをやったわけだが,虚数を含んだ数学の世界から,ちょっと狭い物理の世界に解を限定している. ここで話題を変えて,仕事とエネルギーの話に移る.ここでちょっと休憩したら,いくつか質問が出てきた.それを待っていたのだが,よいタイミングだった.しかも,エネルギーに関係する質問が出てきた. さて,仕事である.力を分解して,運動の軌跡方向と垂直方向にわける.そのときの軌跡方向だけを取り出して,軌跡に沿って積分することを考える.この力は運動の速度を変化する役割があるので,その効果を軌道にわたってどのくらいの寄与があるかをみたかったのである.これを仕事と呼ぶことにする.垂直方向は運動の方向を変えるだけで速度は変えない.ちなみに力を積分すると言えば,力積を思い浮かべるかもしれないが,これと仕事は本質的に違う.まず,力積は力を時間で積分して,さらに成分をもっているベクトル量である.仕事は軌道方向成分だけを抜き出して,軌道に関する積分をするのである.運動方程式を使って,ちょっと計算すると,仕事は軌道の始状態と終状態のmv^2/2だけで表すことが出来る.この量を運動エネルギーと名付ける.1/2の因子のからくりも今日の式変形のなかに表れている.左辺と右辺を結びつけることで,仕事が運動エネルギーに変換されていることが分かるだろう.次回は例題をあげて,その意味をかんがえたい. !!今日の宿題 *ばねの運動でどうして虚数が消えたのか理由を考えよ. *ばねの運動の速度をグラフに描いて,振動をイメージせよ. *練習問題を解いてみよう. *オイラーの公式を使って,{{tex \cos x = \frac{e^{ix}+e^{-ix} }{2}} },{{tex \sin x=\frac{e^{ix}-e^{-ix} }{2} }}を示せ. !!配布するファイル *練習問題の解答例: {{ref Answer-cm-v2.pdf,力学B2007おさらい6}} !!今日の質問 *今日は講義の途中で,思いっきり一服したので,「それじゃー」という感じで質問が出ましたね.いい感じです.大学の講義って感じがします. !どうしてばねはx=0を越えて上にあがらないのか? 確かにあがらないのよね.これはエネルギー保存則の結果です.内容はまた次回に. !AとΦはどうして出てきた?出せるの? C_1とC_2から適当な変数変換で出てきます.注意したいのは,ここはあくまで振動成分だけなので,特解で出てきた定数項は含まれません.複素数なので,実数と虚数の成分があって,二変数から二変数への変数変換ですから,原理的に出来ますね. !運動エネルギーが出てくるところの式変形 まあ,ちょっと複雑な計算で,あれこれ説明していたら,「合成関数の微分ですね.」と言われてしまって,うーんそれを知っているならそう答えたよ... *講義が終ってからも質問する学生さんがいます.よいことです. !!今日の投票用紙の裏より !聴講者減ってもメゲないでがんばってください.同感.左に同じく.同じ! ちょっとめげそうです.ちょっと油断しているところがあったかもしれません.正直言って,このクラスはちゃんと説明すれば食いついてくるものと信じていました.東大生が知的好奇心をきちんとくすぐれば反応しないはずはないのです(きっと).でも,なんか開始時間に集まりがわるかったりと,反応していない兆候は感じていないわけではなかったので,早く手をうたないといけなかったです.もうちょっと盛り上げないと行けないですね. !はしかで休講になってほしい. いやー,それは困ります.ちょっと不謹慎だし... !僕はちゃんと遅れずに来てます. !僕も私もオレも 講義の最初に前回の講義での不平不満を思わず喋ってしまったのだが,そんな愚痴はしゃべってはいけなかったです.変にクラス内で分裂してもだれもハッピーにはならないです.みなさん,同じ講義をうけている仲間なので,なかよくしましょうね. !僕は3分遅れてきてます.井の頭線すいています. こういうのは痛恨ですね.その電車のすいている間に,すごい面白い講義が始まってると思うと,遅れている場合ではないはずです.実際はそうではないということです.あーーー,最初の10分を逃すと,誰が殺されたか事件が分からないぞー. !オイラーの公式...初耳です. そうですか.まずったですね.証明しておいた方がよかったですかね. !仕事とエネルギーは化学熱力学で当然のようにでてきて「?」なので解説助かります. そうなんですよね.熱力学は冬学期の方がよいのではないかと思っているのですが... !!今日の雑談 *今日の投票数は,{{colorsize red, 6, 62}}でした.おおお,「長澤まさみ」さんは力学に移ってこられましたか?それにしても,減りつづけています... *今日のアンケート WEBページ見てる? **やっぱみてる人少ない.っていうか認識されていない感じ. **ぼくらが大学生のころ,もちろんインターネットなどというものは一般社会には普及していなかった.通信手段といえば電話回線だった.ネットワーク(電話)をどのように使えばいいのかのアイデアもそうそう出てこなかった.そもそも遅い回線でやれることも限られていた.そんなころ,いわゆる最初のブラウザーであるMosaicが物理学者によって開発された.もっともインタネット越しにお互いの研究成果を通信するためだった.それがこんな風に発展するとは全く予想がつかなかった.そういえば,インターネットのプロトコルであるイーサーネットというのはethernet,つまりエーテルネットなのである.おしゃれな物理学者が命名したにちがいない. **そんな時代だったので,当然大学の教官が講義のおさらいをWEBに公開するということはありえなかったのである.しかし,時代は変わった.ねこもしゃくしもブログなどという本来はこっそりノートに書けばよいような日記をネットに公開し,SNSでおたくかもしれないがディープな情報を交換しあっている.講義をネットでやるのは全くの反対だが,講義の補佐的なことはネットでもできるのではないかと思ったりもして,現在も模索中なのである.何かうまい方法があるに違いないとは思うものの,まず,多くの学生側が必ずしも能動的にWEBページを見にくるわけではない事実が最初の問題となる.最初の講義で説明しても,そして中間くらいに注意を喚起しても,半数以上が「知らなかった」である.これは今年に限ったわけではない.駒場で講義をはじめて5年目?になるが,ほぼ毎年同じ状況である.確かに,こんなに広いネット空間でわざわざ大学のページにサーフィンするはずもない.「宣伝が足りない!」と言われればそのとおりなのだが,特に宣伝するほどの内容を公開しているわけではないところもこちらの弱いところである. **私もすごーくこの問題についてかんがえているわけではない.最初は自分の講義反省メモとして,やっぱりこっそり自分のノートに書けばよかったものを,学生へのフィードバックも少しはあるかと思ってネットに公開しだしたのがはじまりだった.それから,特にその思想に変化はないままに,ほぼ惰性で現在まで続いている.でも,ここに書き込んでいる時間は個人的には貴重な時間だと思っていて,講義について反省する時間をすくなからずとっていることは大事であろう.講義の準備に時間をかけるのは普通だが,反省に時間をとっている教官はそういないと思う.反省しない奴はうまくならない,と大学生のときにサークルの先輩によく言われたものだ.反省したからといって,うまくなるわけではないことはやはり事実で,自分の講義を見ているとよく分かる. !!今日のWEB投票 今日の講義はどうだった? {{vote2 今日の講義,よい,ふつう,ダメ}} !!一行コメント {{comment}} {{counter2 bb-2007-7}}