第7回

今日のおさらい
  1. 電位・ポテンシャル
  2. ポテンシャルの満たす方程式:ポアソン方程式
  3. 導体系
  4. 導体系の場:映像法
今日のまとめと反省

今日は余談はしないように心掛けたので、大体予定どおりにできた。最後はちょっ と飛ばしちゃいましたが。。。飛ばしたせいで、最後に来週の休講の確認をする のを忘れていた。そういうこともあろうと予想して、講義の最初に言っておきま した。途中からやってきて、掲示板を確認しない者は来週この時間に神様をみるこ とになるだろう。

内容は、実は前回すでに電位は導入されていたので、仕事を通じてその物理的意 味を議論した。また、今回はこれまでの講義でやってきた静電場の世界を概観し て、その中で電位の満たすべき方程式を導出した。 その方程式(ポアソン方程式)を解けば良いわけだが、微分方程式を解くには典型 的な境界値問題であり、そのことが明確に感じられるのは導体系のように電荷分 布が事前にわかっていない系である。
そこで、導体系の説明をして、その性質を議論した。その後で、もっとも単純な 系として、導体板の近くに点電荷をもって来た例を映像法で解いてみた。

今週のレポート問題

なし

今週の宿題:
今日の質問: 今日は2分前終了だったので、質問を充分に聞けなかった。10分前 には終るべきだ。
  1. レポートの締切は11月末だが、明日は16号館に入れるのか?
    だめですね。締切は12/2まで延長。
  2. あっ、それ間違ってまーーーーすシリーズ
    1. 今回もいろいろやってしまいました。まず、導体表面の電場は、表 面に負電荷が誘起される例を示しながら、どんどんわきだしていま した。矢印反対です。
    2. これも導体表面に誘起された全電荷を積分する途中の式は、いろい ろ違っていました。急いでいたので。。。。分子にrlが抜けていた。 最初と最後の式はあってますよ。これも自分でチェックしてみましょ う。
  3. 局所面電荷ってどうやって出てきたのか?
    確かにそれまでは、元電荷と鏡映した電荷の電位・電場を計算してきたわけで、 突然だったかもしれません。そうやって計算してきた電場は導体表面の性質と矛 盾無く決まっていました。一方で、表面近傍(外側)での電場はガウスの法則から 計算でき、そこでは誘起された表面電荷密度で書けているわけです。2つを照ら しあわせることで、面電荷が出てきます。2つの電荷の系と1つ電荷+導体の表面 に誘起された電荷の系とが同じになると考えるわけです(導体の外側で)。
  4. 導体の下の方ではまた電場は突き抜けているのか?
    それはない。ただし、導体が有限の幅で、しかも接地されていなくて、導体内部 で電荷の整合のために反対側に正電荷が貯るとそこから電場は出て行く。
  5. 面電荷の式に2つの電荷の位置が入っている。一体、何の電荷なのか。外の電荷量も含まれちゃっているのか?
    そうじゃない。導体系の特徴で、導体表面の誘起電荷は外から来る電場に依存し ている。だから、電荷の位置に依存している。また、映像法で求めているので、 当然鏡映電荷の位置にも依存している。電荷をどんどん導体面に近づけると、そ れを打ち消すためにどんどん負の電荷が集まって来ることになる。いいでしょう か?
今日の雑談:

今日は、今一つ歯切れが悪かったような気がする。なんかこう躍動感におおよそかける講義だった。今度はがんばろう。
それとは関係ないが、今日はザワザワ五月蝿かったなー。結構気になるんだよな。講義聞いてないんだったら外でくっちゃべればいいじゃないのよ。君らの後では双眼鏡で覗いてまで聞いてる学生がいるんだよ。邪魔だと、何度も言おうと思ったんだが、なんかこう勢いがなかった、のか弱気だったのか。「よしっ、注意だ」と2回くらい本当に思ったが、前の方で熱心に聞いている何人かの学生の視線がバシバシ飛んで来て、眼なんか合っちゃうと萎え萎えになっちゃったのだ。感謝しろよ。じゃなくて、講義中は静かに。
上の質問コーナでは挙げなかったが、ファインマン物理の最初の方で「もし陽子に接近した狭い領域に電子を閉じ込めようとすればするほど....のが不確定性原理の示すところである」という意味がわからないとの質問があった。確かにその本は教科書として推薦したし、私も読んだことがある本だが、いきなりそういう質問はなかなか正確に答えられないことが多い。(清水さんのコメントを参照。)量子力学のことは誰に聞けばいいのかわからないという気持ちは大変わかったので、不確定性原理については簡単に説明したが、そんなに気になる書き方をするファインマンも罪よね。 ファインマン物理の量子力学を読んでみるともっといいだろう。


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Koji Hukushima (hukusima@phys.c.u-tokyo.ac.jp)