2. 静電場の物理
   6. ガウスの法則(のつづきとまとめ)
   7. ガウスの法則の応用
      1. 球殻に一様な電荷がある場合の電場
      2. 電気力線

先週はガウスの定理からガウスの法則を導いて来ました．最後に微分形まで行かなかったので，今日はまとめも兼ねて，お互いの関係を明示しながら，ガウスの法則の微分形を導きました．これまでの議論ではクーロンの法則からガウスの法則を導いて来たわけです．2つはほとんど同値なのですが，ガウスの法則からクーロンの法則の方向へはすぐには行けません．なぜ行けないかは，実は今日〆切のレポートでやってもらいました．「講義で説明していないことを，レポートで出すのはけしからん」というコメントをいただきました．確かにそうですね．ただ，この問題はベクトル計算の例題であり，ちょっと考えるとなぜ電場を決定できないかはわかるかなーと思ったわけです．もっと算数の問題として，どうして決定できないかは，想像できると思います．高尚な考えなんかいらない，もっとナイーブです．その点は次回の解答例で示します．

次にガウスの法則の応用例を考えてみました．一つは，球殻の電荷がつくる電場です．順々にステップを踏んで，何をすべきかを示しました．上の状況よりももっと悪いのが，ここに関係したレポート問題で，今日の講義の後で，レポートを出すべきでしたね．まあ，ともかく，ここで紹介した例題をゆっくりと反芻してみて，チェック問題をためしてみて下さい．

その次に，電気力線の考え方を示しました．これは暗にガウスの法則を使った議論になっているので，そこをあからさまに説明しました．時間が無くなって来たので，ちょっと飛ばし気味でした．来週は，もう一つの例題として，静電遮蔽(携帯電話が外の電場に惑わされずにちゃんと動作する仕組)の話をしたいと思います．

今日はレポート問題1の解答例(PDF:67KB)を配りました．

1. 無限に長い直線電荷がつくる電場をガウスの法則を用いて求めてみよう．
2. クーロン電場が∇×E＝0を満たすことを示せ．

マクスウェルの方程式になる式∇×E＝0というのは，本当は∇・E＝0ではないの．

無限に長い線電荷にガウスの法則を当てはめるときはどうして円柱なのだ．

ガウスの法則の右辺は体積積分なので，球殻の例ではどうして表面積分になっているのは?

オフィスアワーどうなった．

• 今日はレポート提出でした．いろいろと感想ありがとうございます． 総じて講義の難しいということでした．反省します．それから，個人的に痛かったのは，「このWEBページは，今日やったことというよりは感想文ですね」とのコメントでした．あ，いたたっ．そうだよな．これじゃー役に立たんなー．
• 今日のレポート問題はちょっと難しかったですね．主な目的はベクトルの計算になれてもらうことです．いろいろ計算をやってもらいました．物理的な意味は解答例に示したいと思います．
• 今日の出席は，１枚しか紙が戻ってこなかったので，28票×2くらいかな．今日のアンケートは講義のスピードはよいかどうかを聞いたのだが，「よい」と答えてくれた人は13名なので，およそ半数ですね．他の半数はなんからの不満を持っているわけですね．
  今日の夕方とても親切な学生さんが，もう一枚の出席票をもってきてくれました．どうもありがとう．というわけで，集計し直してみる，合計 65票中○をつけた人(ハートマークは〇とする)は18名でした．
• 「Aクラスよりも難しいことやってんじゃないか?」．．．今回がBクラスの最初の年でペースがわからんというのが，これまでの私の正直な感想です．私の目標は打倒Aクラスです．折角，大学まできて講義を聞いてるんだから，奴らに負けるのは損じゃないですか．そもそも，高校の指導要綱に縛られた高校物理なんて，知って損しているところもあるんじゃないだろうか．私は高校のときに物理なんて大キライでした．共通一次(古い!)の物理なんて悲惨でした．でもね，ブルーバックスとか科学雑誌をちょろちょろ読んでいて，「きっと物理は面白いもんだろう」と妄想はしてましたけど．．． 何でも知りたいという気持ちが強ければ，学べるものではないかと思っています．気持ちだけで，辛い苦悩が続くのはシンドイですが，時々理解できた「感動」に出会せば，続けられるものだと思っています．
• 「プリントの記述が親切でない」．．．そうか．確かにあんまり気を使ってなかったかも．しゃべるときは補足ができるけど，配り物では補足はできないからな．