期末試験終了!!

今日のまとめと反省

今日は物理学の試験でした.後は熱力学の試験を残すだけのようです.ご苦労さまでした.試験のできはどうだったでしょうか?昨年度の問題と比較すると「難易度は変わらず,問題量増」というのが自己評価です.期末試験は,入試のようなセレクションを目的とする試験ではなく,自動車免許試験のような資格試験に近い印象です.だから,難易度は昨年度と変わらず,問題自体は簡単な部類だと思います.時間が足りなくて全てに答え切れなかった学生さんは結構いたのかなと思いますが,一方で,もしもほとんどできなかったとしたら,厳しいようですが,「勉強全然やってなかったのね」と言わざるを得ません.全体としてはみなさんよくがんばったのではないかと思います,真っ白な解答はほとんどなかったですし.

最初の講義の時に,「出席点とレポート点はほとんどない」と言っていたのを覚えているでしょうか?大学の講義なんて,出てもでなくてもよいし,レポートも出したい人が出せばよいと考えています.確固とした理由により積極的に講義に出ない人はそれなりに支援したいとさえ思っています.もちろん,自分で責任はとる必要はあります.一方で,これも当然ですが,講義に出ている人にはそれなりのメリットがあってしかるべきです.一つは私の話が聴けること(と自信をもっていってみたいもん)です.それから,やはりなんといっても「成績」ですよね.その答えは今日の問題をみればわかるでしょう.ノートに書いていないことはほとんどなかったでしょう?どれかの教科書に全て書かれているとも思えません.もちろん,むちゃくちゃ難しい問題ではないので,しっかり理解していればはじめて見ても解けそうではありますがね.

まだ,解答には目を通していません.解答例やコメントに対するお答えはこのページに記しておきたいと思っています.ただ,ちょっとここしばらくは忙しいので更新できないかもしれません.まずは,解答を見る前に,問題の心を説明しておくことにします.

  1. 大学の力学では運動方程式は微分方程式で書けることを学びます.ここでは微分方程式がちゃんと解けることを問にしています.空気抵抗のある落下運動なので,一番簡単な微分方程式です.運動方程式を書いてみて,解いてみて,グラフ書いて,それから失った力学的エネルギーを求めてみました.
  2. ポテンシャルと力の関係を問いにしていました.レポート問題とほぼ同じだったので,復習をよくした学生にとっては簡単だったでしょう.ポテンシャルは高校では出てこない概念なので,まったく勉強しなかったらそれはできないと思います.試験中にxを正に限定していないことに気づきちょっと焦りましたが,特に問題はありません.ここまでは,レポートに出した問題や講義で話した内容がちゃんと理解しているかどうかをチェックする問題です.式を解けばいい問題なので,ある意味で頭を使わない問題です.
  3. ここでは二問から一つを選んでもらうことにしました.講義で話した領域はそれほど少なくないので,できるだけ広くカバーしたかったし,学生さんが勉強した領域にヒットさせてあげたというか,山が外れないように多めに山を作ったというか,そんな親心問題です.どちらも身近な現象を力学で説明しないさいという問題です.途中で数式を使うのか,言葉で説明するのかと質問を受けました.どちらでも結構です.正しく自分の考えていることが伝わればOKです.必要に応じて数式を交えるのが簡単だとは思いますが,なくても説明できればそっちの方がかっこいいです.
    1. フィギュアアイススケートの選手のスピンに関する問題.これは剛体(人間は剛体ではないけど)の角運動量保存で大雑把には説明できます(講義でも話しました).角運動量が保存すること,慣性モーメントと角運動量の関係,それらがスケートとどう関係しているのかが説明できれば前半はOKです.それは中学生に説明する感じでいいかなと思います.次にエネルギーの収支を聞いています.回転が早くなったときにエネルギーは増えるのか減るのかを説明できればだいたいOKで,その差額がどうなっちゃうのかが示せれば完璧です.「腕を上げたり下げたり」とはどういうことかと聞かれて,思わず答えそうになったけど,なんかこんな感じといって,身ぶり手ぶりで誤魔化しました.
    2. こっちはぶらんこ漕ぎの話し.どのように漕ぐのかと質問されたが,漕ぎ方は設定していませんので,好きな漕ぎ方で結構です.座っても,押しても,立っても結構です.それぞれどうやったら漕げるのか?なぜ漕げるのかが前半の問い.後半では,ぶらんこが漕げるということはどんどんエネルギーが増えているということです.だれがどのようにエネルギーを注入しているのかを答えて欲しいところです.
  4. ここでもう一つ選択問題.これが余計だったかもしれません.ただ,三番までだと簡単過ぎると思ってしまったので,追加しました.これも説明問題で,計算して時間を費すのではなくて,ちょっと考えて,話しを整理してもらおうというのが意図でした.
    1. これは特撮物の応用というか,スケール変換の練習です.講義では重力落下をやりました.それは一様な力の場合の運動ですが,ここでは線形バネの運動です.答えはしめしませんでしたが,宿題としてここここに出していました.振子の微小振動でも同じですね.そうすると答えは何もしなくてもわかるかもしれません.答えは(当然)落下とはちがうので困惑した人がいました.終盤に質問した学生さんです.その困惑の気持ちはちょっとわかります.正しい困惑の仕方だと思い,可笑しくなりました.もう一息考えればなぜそんな答えになったのかわかると思います.
    2. これは遠心力の大きさをざっくり見積もってみようということでした.先日テレビで赤道近くの観光地で,1ドルとって体重計に乗せる商売をしていることが紹介されていました.何もしなくてもダイエットできると謳っていて,成人男性で1Kg近く減るとのことでした.子供の頃は赤道直下のコリオリ力の効果に騙されましたが,この年になるともう騙されません.みなさんもそうですよね.というわけでこの問題です.本当は地球の偏平の効果も考えないといけませんが,ここでは簡単に遠心力の効果を考えていればOKです.
    3. 最後に,式を書いて簡単に示せるものは...もうエネルギー保存は出したし,剛体あたりでなんかないかーというわけで質点系の角運動量の保存とその体験実験の提案を出しました.いいのがあれば,来年の講義で採用しようという腹黒な問題でした.しかし,ここで重大なミスでしたね.学生さんに指摘されましたが,角運動量の位置の原点を指定しないといけません.個人的に困惑したのですが,冷静になれば相対運動に注目することを明記しなければいけませんでした.試験時間の半分を越えていたので,ちょっと困惑した人が多かったかもしれません.
  5. 最後に「感想書いて」ということでした.これまでにレポート等で感想を聞いていたので,「もう感想はない」と答えてくれた人がいたように,そんなにたくさん感想はなかったかもしれませんね.「授業評価アンケート」の裏面は無記名のコメント,これは記名でしかも私の手元に残るコメントなので,微妙に意味合いが違います.ということをいっても仕方がないので,黙っていました.半分以上の人が何かしらコメントをくれました.ありがとう.

今日(2004/09/02)はここまで.採点した後の感想と5番の返答は後日に記します.それから,講義の総括と反省もまだ表明していません.何ごととも反省せずに次に進むのはまったく進歩がありません.みなさんも同じですよ.私はこのことをテニスを通じて学びました(なんのこっちゃ?).とにかく,しっかり反省して,またこのWEBで公開して,意見をもらいたいと思っています.

今日の雑感:

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