第1回のおさらい

今日のおしながき
  1. 簡単な導入
  2. ブラウン運動の物理
    1. ブラウン運動
    2. ランダムウォークから拡散方程式
    3. アインシュタイン関係式
今日のまとめ

講義ですっかり言い忘れていましたが,大学院御入学おめでとうございます. 今回はこのコア科目の担当をはじめてやるので,妙に緊張していています.どの位のペースで進めるのか,聴衆の要求はどの程度かはまったくわかりません.二年前に大学院で講義をやったときは,好きなペースでしゃべったのですが,コアではどうしゃべるのがいいのかもよくわかっていません.まあ,しゃべりだしたら,好きなことをしゃべってしまうと思うので,このページでのぼやきが多くなるかも知れません.

今日は自己紹介もそこそこにイントロ的な話しからはじめる. この講義の目的は線型非平衡統計力学の基本的な内容を説明することである.この内容に見合った教科書というのはなかなかないようです.いくつかの参考書を紹介しました.今回のシリーズでのあらすじを示しておく.具体的な内容については,まだ本当のところは詰めていないので,講義をしながら決めて行きたいと思っている.

最初にブラウン運動の話しをする.自分で準備をしているときは面白がっていたが,今年は世界物理年とされていて,アチコチでアインシュタイン企画があり,もうしつこいと思われるかもしれない(自分はそう思う).まあ,でも話しをすることにした.少し話したいこともあったので.まずは,ブラウンが見つけた微粒子のギザギザ運動の話しと,それを説明すべく当時議論された諸説を説明する.その中で,特に原子分子説が否定的な立場の考え方の根拠を示す.ざっくりとした,オーダー評価で,水分子の衝突による力積では観測できそうにないことを示す.その後で,ゆらぎを記述するランダムウォークを導入し,拡散方程式を出しておく.ここで,ゆらぐということと拡散するということの関係を見ておく.これは数学的なモデルのはなしだが,次に現象論的な微粒子の運動方程式から議論する.外力中で抵抗をうける粒子の定常運動から,粒子の流れを評価する.それは外力の項と濃度勾配による項からなり,連続の方程式とあわせることで,先の拡散方程式とおなじものが出てくる.現象論的にいれた諸パラメータには拡散方程式での各項の意味があることがわかる.最後に, 定常運動が熱平衡状態で与えられるとして,カノニカル分布を用いると,有名なアインシュタイン関係式が出てくる.時間がなかったので,大あわてでその関係式を出す.その意味をゆっくりかんがえることから次回ははじめたい.

今日の質問:

講義中や,講義の後で出た質問のうちに,共有できそうな話題はここに書いていく予定です.

極限の縛り方

拡散方程式を導く,連続極限の取り方の制約はどうやってきめたかということ.これは勝手に選んだのですが,それはまた次回の内容にも関係するので,来週しゃべることになるでしょう.しゃべらなかったまたつっこんでください.

今日の雑談と反省:
確率過程を扱うときいて,じゃあ確率過程量子化法をよゆうがあればやってもらえると嬉しいなと思いました.(統計力学とはあまり関係ないですが...)

あきません.その余裕はないです.まず私がそれを知らないですし...Parisi-Wuってやつですね.
興味があれば,自分で勉強するのが一番なのではないでしょうか.興味がないのであれば知らなくてもいいことでしょう.


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