第3回のおさらい

今日のおしながき
  1. ブラウン運動の物理
    1. ランジュバン方程式
      1. 積分して解く
      2. 平均二乗変位
    2. 振動数依存の線型応答と揺動散逸定理
  2. 確率過程
    1. マルコフ過程とそうでないもの
今日のまとめ

先週の続きとして,もう少しランジュバン方程式を調べてみる.今日は直接積分して解いてみる.もちろん,同じ答えがでてくるはずである.あらためて,相関関数と抵抗係数の関係を導いてみる.その後で,平均二乗変位を求めておく.速度相関で感じがわかる人はそれでもよいのだが,やはり変位を見て,拡散のようすを確かめておきたいところである.すこしばかり計算すると答えは得られる.講義では最後の積分のところはムニャムニャいって誤魔化す.もちろん,あと5分くらいあればちゃんと示せるが,みなさんに任せることにした.あらためて複素積分のありがた味がわかるので,その愉しみをとっておいた.

ここで,これまでに見てきた状況設定といくつかの関係式について簡単にまとめておく.これらの関係式が「揺動散逸定理」と呼ばれるものであることを話す.これまではそのωゼロ極限の場合を考えていたことになる.そこで一般に振動する外力がある状況を考えて,振動数依存を考慮した揺動散逸定理を導いておくことにする.ここで示したのは,振動外力があるときの線型応答係数と対応する相関関数の関係だが,ほとんどこれまでの計算でできているので,これもまたまとめのような意味合いもある.ここで示したのは完全に古典系の範囲であったが,後に量子系についてもまとめる予定である.しかし,そこに行く前に確率過程について少しみていくことにする.

途中の計算をサボったおかげで,少し時間があまったので,確率過程について少しだけお話をすることにした.ほとんどイントロ的なところだが,確率的な考え方を導入する背景と,さあこれからその確率分布をどうやって考えて行こうかというところで終わった.来週はその時間発展則からかんがえていくことにする.

今日の宿題:
ちょっと飛ばしたところの計算を宿題にする.
  1. 平均二乗変位の最後の積分を求めよ.複素積分を使うのが一般的で,経路は講義で示しておいた.正しくポールを拾ってください.
  2. ばね定数がある場合のナイキストの定理を示せ.
  3. 変位に関する相関関数と線型応答の係数の関係式と速度に関するものと比較すると,1/ωがついている.これを確認せよ.また,次元はあっているかを確認せよ.
今日の質問:
マルコフ過程の時間発展は時間の一次微分である必要はあるか.

今日の雑談と反省:

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