もうこの話題で講義することはないと思うので,話した内容を示すことにする. 講義で話した資料はここに公開するのはまだ論文にしていない内容を一部含む ので差し控えたい. ########################### 2004年度 北海道大学 大学院理学系研究科 大学院特別講義 授業科目: 統計物理学特別講義 講義題目: 統計物理のおけるモンテカルロ法とその周辺 講演者: 福島孝治 (東京大学大学院総合文化研究科) 日時: 12月13日(月)〜15日(水) 概要: 0.はじめに 統計力学の熱期待値の計算ツール シミュレーション・ツール 1.モンテカルロ法のいろは モンテカルロ積分から重みつきサンプリングへ メトロポリスの方法 遅い緩和の問題 アルゴリズムの改良について 2.拡張アンサンブル法 様々な拡張アンサンブル法 拡張アンサンブルらしい応用 拡張アンサンブルの拡張 3.ポピュレーション型MC法 経路をサンプルする方法 アニーリング法 ポピュレーション・アニーリング法 4.モンテカルロデータの解析 有限系から無限系へ,外挿とスケーリング 熱期待値以外にわかること 物理コロキウム: 12月14日(火) 「スピングラス状態の壊れやすさについて」 ################ コロキウムのアブスト 「スピングラス状態の壊れやすさについて」 福島孝治(東大院総合文化) ガラス的な挙動を示す系の平衡状態は,一般的に「こわれやすい」性質を持っ ていることが多い.例えば,温度等の環境のわずかな摂動に対して,ガラス的 な性質を残したまま,敏感にその平衡状態を大きく変えることがある.スピン グラス系もこの性質を持っていると予想されてきた.また,近年の奇妙なエー ジング現象を説明するためのシナリオとしても注目されている.理論的には, 摂動前後の平衡状態間の相関を調べることで,この「これやすさ」が特徴つけ られる思われるが,平均場理論でさえ多くのことはわかっていない.我々はス ピングラス系の標準的な模型であるエドワーズ・アンダーソン模型について, 繰り込まれた結合定数の摂動前後における相関をモンテカルロ法で評価するこ とによって,スピングラス状態のこれやすさを定量的に調べた.そのためのモ ンテカルロ技法と得られた結果について詳しく紹介したい.また,摂動の種類 に依らない普遍的なスケーリング則についても議論する予定である. この研究は,東大物性研の佐々木氏,高山氏,および阪大理の吉野氏との共同 研究である. ################### 13日(月) (1)10:30-12:00,(2)13:30-15:00,(3)15:15-16:45 14日(火) (4)08:45-10:15,(5)13:00-14:30,(*)16:00-17:00 15日(水) (6)08:45-10:15,(7)13:00-14:30,(8)14:45-16:15 ################### レポート問題