!!学会直前レポート2008秋 昨日までIW-SMI2008に出席.明日からは物理学会へ. 今回は私も含めて,4名(5件)の発表があります.それでは前宣伝をすることにします. :中島哲くん:前回の発表で,1RSBの現れる一般的なシナリオを提案したので,今回はそれを未知の世界に展開してみようとします.具体的にはスパースランダムグラフ上のスピングラスの問題です.これまでに1RSBの構成法についてはいろいろと研究されてきましたが,今回のは熱力学的に最も自然な形式になっています(きっと).最後にMCとの比較もしていて,熱力学極限にはとてもゆっくりだけどしっかりそこを目指していることが確認できています.今回は彼の希望でポスター発表します.最終日ですが,是非見にきてください. :坂田さん: 相互作用がゆっくりと変化するスピン系で,フラストレーションにある種の相転移があることを数値的に示します.スピン系が相転移すれば,相互作用系にも何かがおこることはある意味で自明ですが,今回はそれがずれても起こることが示唆されます.まだレプリカ計算では答えられていなくて,少なくともDotsenkoのRS解ではうまくいかないようです.RSでもよさそうなところですでにおかしいので,根本的に考えないといけない感じです.本当は長距離相互作用系を研究するはずでしたが,今回は平均場系に留まっています.本質的には変わらないかな.この話はもともと進化のモデル研究からの派生で,そちらの最近の進展はポスター発表します. :中島千尋くん:Migdal-Kadanoffくりこみ群で見付けたことを,実際の有限次元系でMC検証することが目的です.2次元系でもスピングラス相転移が起きる..といえば,びっくりする人も多いかもしれません.起きるんです.こういう状況では. :私: 同じ研究室にいるとなんとなく話題が引き寄せあうこともあるかもしれません{{fn 上の話はある意味で全て有限のレプリカ数での物理とみなせます.うーん,冬の特定の成果発表会はこれでまとめるか.「有限のレプリカ数で見える統計物理の世界]}}.実際に今回は意図せずして似たような話になってしまいました.その中で私だけはちょっと浮いています.伊庭さんと以前にやっていて準安定状態自動抽出作戦で,彩色問題を調べてみました.3月まで中田くんがいろいろと調べていて,それを横目にみて,うまくいきそうな感じはしていたのです.さらに,ここ数年coloringをやっている知合いに刺激されていることもあり,今回はちょっと踏み込んでみました.まだまだ踏み込みは足りないのですが,まずは第一歩.MCで局所磁化が計算出来るよというのがおもなメッセージ.「いやーそれはふつうできるよ」というのは不真面目なMCプレーヤーです.まじめなMCプレーヤーが出来る..出来そう..きっと出来ることを今回示します.11月の会議でくるお客さんにも楽しんでもらえるのではと期待しています. 口頭発表はすべて21日,ポスター発表は23日です.多くの人に聞いて頂けるとありがたいです. 今回は,座長..そしてポスターセッションの座長が当たっている.よほど世話人の人に嫌われているんだなーと思う. {{footnote_list}}