トップ 差分 一覧 Farm ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

今日の一言/2010-7-12

相関演習つづき

今日で夏学期の担当講義は終了した.学部の熱力学では,今回は演習問題集を冊子にして配り,講義の内容もこなれてきて,自分としてはよい感じだと思っているのに,学生のウケはそれほどでもないようだ.最終回では,グー・ジュール効果の話などをして,これで山本氏の熱力学の本なんかを夏休みに読んだら,涙でてくるだろうなー,なんて思っているようではダメですな.自覚症状が全く無いのは最悪の状況だなー.大学院の方は全くダメで,自分がM1だったら,いやになっていただろう.こっちは真面目に反省.XOR-SATの話をまとめていたのに、そこに時間が回らなかった.

さて,自分の講義の反省は自分ですることにして,今日は前回に引き続きCグループの相関演習3日目.今回も含めてCグループの学生さんの発表は全て聞かせてもらった.今回は,早川くんが剛体棒の配向相転移の研究を発表.まだまだなんだけど,相転移のはっきりとした兆候を示す結果を出してきた.これで先行研究に追いついたわけだが,こっちの方が幾つかの点できちんとしているので気持ちがよい.それにしても,練習のときには見てなかった最新のデータが発表されて,驚いたけどそれはそれで面白い.結論はまだわからないけど,どうも配向相転移が起こるあたりで,普通の密度ゆらぎにも異常が見ていて,ひょっとすると熱力学ガラス転移のようなものかもしれない.この問題はBM模型に形状効果を考慮した問題と思えないこともないので,無い話ではないだろうとは思う.熱力学極限では消えてなくなるものかもしれない.いずれにしても,半年後にはなんらかの決着はついているはずである.思えば,この話題を知ったのは,前回のSTATPHYS.発表を聞いたときに,隣に居合わせたTさんと,すぐに信じられないと同調したが,今回の結果をみて私は少し信じられるようになった.反応が悪いといえば悪いが,古典的な問題なので時代の潮流とは無関係である.

[ページのアクセス数: ]

最終更新時間:2010年07月13日 19時13分48秒