!!その修士論文審査会は終了 例年どおり物性理論グループの学生さんは全て聞かせてもらった.面白い研究もたくさんあったし,そういう研究は40分くらいの発表よりももっとゆっくり聞いてみたいと思った. さて,早川くんの剛体分子の配向相転移は,棒の長さが7以上で起こる異常性の根源にはなかなか至らなかった.そもそもなぜ7なのか?というのは,問いとしては難しい.素朴だが,本当だったら面白い予想を私は持っていたのだが,彼の着実なデータによって完璧に否定されてしまった.「7」は「7」として受け入れなければならないのが現状だ.でも,ウルトラセブン世代の私にとっては,6や8でなく「7」であることになぜか不思議な興奮を覚える.もうちっと理解深めたいなー. それから,修論廃止論はまだちょっと分析不足だが,博士過程で一つの研究室に張り付くことが問題視されていて,「クォリファイング・イグザム」の導入が検討されているとのこと.なんというか, 目指す方向は思想としてはわからんではないけど,制度として強制すべきことなのかは疑問である. ディープに研究に突き進むのが大学院でやるべきことで,それと同時に自分の研究の立ち位置や周りの研究の位置づけをよく理解することも必要なことである.後者を過剰に前面に出されるのは困る.ましてや,変なプレゼン能力やディベート力は理系人間以外に求めればよいのではないか.それで周りが見える能力としては,たとえば,物性セミナーに出る程度の知見と余裕をもっていればよいのだと思う.多くの学生がそれをこなせているかというと,そうでもない.例えば,今回の修論発表をすべて聞いていた学生は,私の認識するところでは一人だけであった.この現状は本来ならば嘆くべきところだろう.ただ,首根っこ捕まえて,「ほらほら,君のやっている研究以外のこともちゃんと勉強しなさいよー」などとやる必要はないと思う. //「やらない」あるいは「できない」学生さんは「はい,それまでよ」ということです.//