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今日の一言/2014-3-24

春の物理学会

今日は大学院の学位授与式でした。今年は、酒井くんと高邉くんが広域科学専攻奨励賞を受賞しました。パチパチ。

さて、今週は物理学会があり、研究室の学生さんが発表します。私が指を咥えて眺めている間に、学生さんが日々苦労して得た結果を発表します。ひとこと宣伝しておきます。

高橋惇くん(M1)
私は基本的に現実的な性能の問題から量子断熱計算の研究は好きではないのですが、私も面白いと思えるちょっと異なる視点から量子断熱計算を考えています。どのくらいこの思想が伝わるか楽しみです。
高橋昂くん(M1)
3次元スピングラス模型が割とキレイにレプリカ対称性の破れの予言と整合しているように見える数値計算を示します。あれだけ散々やってきたのに、この手がありましたか!という感じです。具体的な模型は当日のお楽しみ。
西川くん(M1)
二成分の格子ガラス模型の有限温度の計算結果を示します。なぜ二種類の粒子を混ぜるとガラスになるのか?に答える研究ですが、とりあえず今回は結晶が壊れたところで、ダイナミクスが遅くなることを示します。
小松くん(M2)
一次元相互作用粒子系の固体転移を議論して、固体相が存在するPT相図を示します。この模型は一次転移になる領域が出てくるのですが、どうも単純に3次の項が降りてくるのとはちがうようです。一次元系なので当然、長距離相互作用系です。
高邉くん(M2)
整数計画問題の条件を緩めて線形計画問題にしたときの性質を、多次元ナップサック問題で調べています。2つの問題を内挿する統計力学模型を考えると、ちょうど境目でレプリカ対称性が破れるように見えます。
酒井くん(M2)
詳細釣り合いを破ったマルコフ連鎖モンテカルロ法を、一次転移を示す三体全結合イジング模型に適用した結果を示します。全磁化でひねるタイプの詳細釣り合いの破れを導入すると、スピノーダル点を超えられるか?というのが問いです。
篠嵜さん@加藤研(M1)
カイラル磁性体の模型の三次元模型の有限温度の性質をモンテカルロ法で調べています。単純な模型なのですが、磁場の応答が豊かで、なかなか面白い。

発表の結果と学会全体のレビューは後日にまとめます。しかし、今回は基本的に通いになりそうですが、遠い。できれば、どこかに出張して缶詰状態になるのが望ましいです。勝手な要望ですね。

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最終更新時間:2014年03月24日 21時53分03秒