!!学会報告@岡山大学, 2010-3-20,23 久しく学会レポートを書いていなかったので,これはいけないと思い.休み時間にメモする. !第0日め :岡山:前回の岡山の学会はいつだっただろうか.岡山に来たことは覚えているが,大学のことはまったく覚えていない.今日は,所要のために岡山に入ったのは22:30ころ.少しだけ,町をぶらぶらして,街の様子は思い出してきた. !第1日目 :田中としさんとの共同研究:初日の最初のセッションに情報統計力学があった.そこで,田中さんが数独の話をする.真っ白な数独への数字の置き方のパターンはいくつあるのかを数える研究.以前はMCで計算していたが,レプリカ計算をやってみるのが今回の趣旨.もっともレプリカ計算するためには,ランダム化の必要があるのだが,拘束条件の個数を止めて,グラフ構造をランダム化することを考える.その元での一般の条件数での個数をRSで求めた.そこにはLatin squareに対応するランダム版の結果も含まれる.少々驚くべきことに,今まで知られている個数の下限の評価と厳密に一致する.出所はちがうので,偶然といえば偶然だが,としさんの解説を聞くと,一致する感じはわかるような気がする.一方で,ランダム版数独に関してはやはり下限を与えているだろうと推測される.その結果は数値計算とも一致する.ランダム版の数独問題もちゃんと作れたら,WEBで公開すると面白いかもしれない.ランダムなのでイライラするかもしれない. :いろいろ:午前の途中には金子さんの話を聞きにぬける.何も岡山で聞くこともないのだが,さすがにここ数ヶ月は忙しくて金子研のセミナーにでる時間がなかった.いよいよ環境ゆらぎまで進んでいた.坂田さんのモデルでも環境の効果は議論できるだろう.私も一度Population typeでやってみたいと思っているのだが。。。午後は,膜のシンポとガラスをうろちょろ.小林さん@田中研の実験は面白そうだった.cooling rateを4桁くらいかえて実験していて,混合率が中間のところで結晶化が避けられているのはおもしろい.そこではガラス化が。。。ということだけど、どんな観測がされているのかはわからなかった.それは業界標準なんだろう.常識がないと10分講演はつらい.後は膜のシンポで菅原先生の講演をきく.昨日の最終講義を聞き逃してしまったので、これははずせなかった. :高山先生慰労会:この三月でJPSJ編集委員長の任期が満了となる高山先生の慰労会を行う.直前だったが,数名の知り合いの先生に連絡して,小規模だがそこそこ人数が集まって楽しく過ごせた.最後は高山研の先輩方とほんの数名でX次会.いろいろ話すと,なんとなく考え方が似ているのは「弟子(不肖)だからか?」ということになり,先生の偉さというか,影響力の大きさを再認識する.けっして陽にどうこう指導されたわけではないのにね.自分もこうありたいと思う今日この頃。。。なんか最近コメントがふけこんでる>自分. !第2日目 :自分の発表:朝から合同セッション.早めに会場に入り,チェックをしたにも関わらず,いきなり接続できない。。。impressiveを立ち上げた直したときに外部ディスプレイの情報が変えられてしまうような気がする.とにかくこれではげしく動揺する.久しぶりに練習して挑んだ発表だっただけに,ショック.そういうこともふくめて、プレゼン能力が。。それだけでなくて能力が落ちているのが目に見えてわかる。立ち直るのにしばらく時間がかかる. :午後:中島哲くんのポスター発表がある.pure stateの個数に燗するcomplexityの自然な拡張を示している.ポスターのまわりをうろちょろしていたら,古沢さんに遭遇.この日は風がつよい日であった.瀬戸内海を越えるのは厳しかったようで,私の発表に間に合わなかったようであったので,そのままdiscussion&chat. !第3日目 :総合講演:普段は聞きにいかない総合講演にでむく.目的は滝川先生の講演.これも駒場での最終講義を聞き逃していた.彼は説明するまでもなく,この業界のヒーローである.いろいろと面白い実験をみせてもらった.バルクハウゼン効果(まちがっているかも)を簡単に見せてもらったのは感動した.これは電磁気の講義でできるネタで,かつ大学の講義らしくもできそうな気がする.最後は「仕分け」に対する強烈なコメントを言われていた.素粒子の橋本さんもいらして,うーんとちょっと暗くなってしまう. {{virthumb 10-03-22_001.jpg}}まあ,ともかく,大の大人が大きな風船を突っついて遊んでいます.滝川マジックですね. :午後:その後は、学生さんと打ち合わせをして,午後のセッションへ.領域11の若手奨励賞の講演を聞きにいく.駒場での物性セミナーでお招きした方が受賞されていて,我々の目利きもまんざらではないと,なんとなく鼻高々であるのはどうでもよいとして,受賞されたみなさん,おめでとうございます.それにしても,裏で普通にセッションが行われていたり,シンポジウムが開かれるのはなんとかなんないんですかね!ちょっと抜け出して,地震セッションに出向く.BKモデルの実験の話に興味をもったが,うーん,粉体の実験ほどの迫力は感じない.とにかく数値実験のスケールを越えないことには。。。もちろん目的は別にもありうるのだが。。。 !第4日目 :スピングラスセッション:専門に近いと極端に辛口になるので,この分野に関してコメントはあまりかけない.総じて面白くない(自戒も込めて).西森研の大関さんや松田さんの話はもちろんきちんとしていて面白かったのですよ. :古典スピン系セッション:このセッションはマニアック.それでも,一番落ち着いて楽しめたかも.渋いようでも川島研の学生さんの発表は面白い.以前,富田さんからあれこれ聞いていた話は,だれがやっている話かよく理解しないで聞かせてもらっていたが,それは紙屋くんだったのね.発表前の休憩時間にたまたま後ろに座っているのを見つけて,話かけたんだけど,まったく知らなかったのよね.それはそれで面白い.発表の中でわざわざ私の仕事を参照してくれたのだけど,それより百倍えらいことをやっていました.個人的には西山さんのしわくちゃ相転移が面白かった.昔からある話だけど,まだよくわからないようです. :おわり:たっぷり夕方まで会場にいて,帰路につく.新幹線は混むかと思ったけど,意外とチケットも簡単にとれた.一方で弁当は売り切ればっかりで,ちょっと残念.もうビールを飲む余力もなく,放心状態で東京に.山手線は停電事故でまだ止まっていた.総じて有益な学会だったと思う.次に向けたこねたも相談できたし(次回の楽しみ),いままで話したことのない方とおしゃべりもできた.体力はへってもエイキは養えたかな. [{{counter JPS2010s}}]