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2014年の一言

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2014-12-5

研究する目的

2014-10-7

ランチ!

博士号がなくてもできることはいたしません

というわけで、これまで研究室の学生とお昼ごはんに一緒に行く、などという煩わしいことはやって来なかった。味気ない冷たい研究室なのだが、学生からの熱烈なラブコールを受けて?[1]今日から週一でランチに行くことになった。なんだか、和気あいあいとして、普通の研究室っぽくなってきたぞー。これはこれで良いかもしれない…

せっかくのノーベル賞ウィークに上のような低レベルな話題でもったいない。今年の物理学賞は日本初の青色LED。嬉しいことではあるが、手放しで喜べない。中村氏や南部氏のような研究者が沢山でてくることは日本の研究環境・大学としては問題。ただ騒ぐだけではなくて、こうした現状分析をする報道があってもよいと思う。「日本人として励みになります」的なオリンピックで金メダルとったときと同じ感想しか言えない街頭インタビューしかとれないことも問題にしたい。こんな日に記者会見をぶつけてくるW大学も品がない。

  • [1]飲み会でふと出てきただけです。「福島さんより、○○先生とお昼ご飯にいく回数の方が断然多い」と言われ…

2014-10-1

コルシカ島、物理学会、集中講義

夏休みはそれはそれで忙しい。それでもしっかりと集中講義には出たし、国際会議にも行ってきた。他にも行きたかったのがコルシカの会議。なんと、うちの大学院生5名が沢山行ってきた。Parisi先生やMezard先生の講義もあり、羨ましい限り。いい体験をしてきたことだろう。ポスター発表も偉い先生方に聞いてもらって議論を楽しんできたようだった。コルシカ島、私も行きたかった。

それに引き続き、物理学会があり、少し間を置いて、私の名古屋大学での集中講義。概要はこんな感じ。大人の人も聞きに来てくれて、それはもうめちゃくちゃ勉強になった。宮崎研の院生さんたちともおしゃべりできて、ガラスについて勉強になった。こっちも頑張らねば。。。

2014-7-31

板書

講義をしていると、学生さんたちの板書の遅さが気になる。黒板に何かを書いて振り返ると、こっちでなくて、一段前の黒板の方を多くの学生さんが見てるわけである。どうでもよいことだが、私は板書を取ることが早い!場合によっては、講師よりも先に終わっていることもある。講師が黒板に書いて、それをノートに写すのだから、因果律を破っていることになる。もちろん、先読みをかけているし、よい講師は「しゃべる」→「黒板に書く」→「それを説明する」ことが多いので、しゃべっている段階で先読みがかけられる。計算間違いもそこで補正することができるし、説明していることもノートにメモできる(本来のノートを取る作業はここのことである)。そもそも、黒板に大きな字で書くのと、ノートに小さい字を書くなら、後者が早いに決まっている。集中講義を聞きながら久しぶりにノートをとってみたが、この能力は落ちていなかった。

この能力をどこで養ったかというと、明確に自覚がある。中学のときの夏休みの社会の宿題である。それは、毎日、新聞の一面の下のコラムを写経することであった。何が本来の意図だったか忘れてしまった。とにかく、楽しくなくて嫌だったので、毎日書き終えるまでの時間を測って、短時間で終えることを楽しみにしていた。そこで早く字を書くことと原稿に目を送る回数を減らすことが鍛えられた。結構楽しんでやっていたのだと思う。社会の小森先生に感謝しています。まさか、こんなことに役に立つとは思わなかった(だろう)。教育とはそういうものだと思う。

集中講義+暑い夏、ふと思い出したことがらでした。集中講義に関する考察は次回に。

(2014.8.2追記) ふとしたことから板書の話になり、驚くことがあった。どうやら、早稲田の物理・応用物理の学生さんは板書が早いらしい。理由は一年生の数学の講義で鍛えられるからとのこと。すばらしい。次に気になるのがえんぴつの持ち方。早くノートを書くための必要条件と勝手に考えている。早稲田の学生さんのえんぴつの持ち手は美しいだろうなぁ。

2014-6-6

オープンラボ

今日は駒場の理系研究室のオープンラボでした。実験の研究室ではないので、かっこよい見せ物がなかなかないので、毎年、研究室の研究成果+その背景をポスターを使って発表している。といっても、ただおしゃべりしているだけなんだけど、それはそれで楽しい企画ではある。しかし、今年はちょっと忙しくて、お休みしようかと思っていた。ところが、院生のみなさんがやる気を見せたので、

そうだ、院生のみなさんが話そう!

ということで今年も継続。進学振り分け前の学生さんたちに統合自然科学科の宣伝をすることも兼ねているので、おじさんがおしゃべりするよりも、若い院生が研究室紹介してくれる方がいいこともあろう。要求要件は「1・2年生のころの自分に向かって、今の自分がやっていることを話して欲しい」である。

ポスターを作るのはやや面倒だとも思ったのだけど、研究室にある超短焦点型のプロジェクターhttp://www.ricoh.co.jp/projector/product/で廊下の壁に直接映せば、印刷の必要もなく、ポスターである必要もなくスライドでもよく、場合によっては動画も見せられる。これは素晴らしいと思い、後は時間の割り当て表を作って、院生に丸投げ!

壁ではやはり写りが悪かったので、急遽、可動式のホワイトボードとイスを適当に並べて、急造セミナー室が研究室の前の廊下に出来上がった。廊下で少し騒がしくしてしまったけど、今日だけは許してもらうことにした。私の割り当て時間もあったのだが、院生に譲って、部屋から観察モードに入る。みんなのトークを聞いていると、それぞれの個性がよく出ていて、普段の研究室のセミナーとはちがう側面を見ることができたのは興味深かった。

幾つか反省点などを以下にまとめる。

  • 時間割をキチンと区切れなかったのは反省点。来年はちゃんとプログラムを作って、講演時間制にする。
  • 廊下にイスを並べるのはいいかもしれない。オープンラボの日だけは許してもらおう。
  • ホワイトボードではなくて、可動式のスクリーンはあった方がよい。

超短焦点型である必要性は実は全くないことがここまでくるとわかる。しかし、もしそれが研究室になかったら、今回のような企画にはならなかった。その意味ではそのプロジェクターの存在意義は大きかった。来年はまたこの企画を少し洗練させて行うことになるだろう。とにかく、今年のオープンラボを楽しくできたのは、遊びに来てくれた学生さんたちと,なによりうちの大学院生のおかげである。

2014.6.14 追記:オープンラボのアンケートで「印象に残った研究室」トップ3に選ばれました。

2014-5-28

よき師

「師を持たない人間はだれの師にもなれんのだ…」

これは「ちはやふる」の一節である。師匠を持たない若い天才二人に対して、彼らの持っている技術を継承できないことを「もったいない」というシーンである。

ちょっとずれるが、こうも思う、「良き師を持たぬものは良き師にはなれんものだ」と。私は良き師を持つことに恵まれたと思う。そして、良き師をもったものの義務として、良き師になることを目指すべきだとも思う。何が良き師なのか分からんのだけど、研究者に限らず我々世代の大事な仕事だと思う。若い頃はそんなこと考えたこともなかった。あの人は良き師に巡り合わなかったのだなぁ。

2014-4-10

論文を書くということ

私は論文を書くのが非常に遅い。日本語も英語も文章を書くのが苦手。髪の毛掻きむしって書きます。自分の職業は作家でもないのにねーと思うことはよくあります。もっとも、プロの作家はさらさらーと文章書けるのかもしれません。私の場合は苦しむわりには文章は下手。それでも書くのは、たとえこの身が朽ち果てようとも、人類が滅亡しない限り、論文は残るからです。我々研究者が残せるのはこれだけ(もうひとつ残せるものがあるかも)だから、理解できた「キワ」まで書きます。理解できないことは書きません。それ以上でもそれ以下でもありません。先人たちの考えてきたり調べたことを知ることが出来るのも論文があるからです。こんなこと習って分かることではないかもしれませんが、ちゃんとたくさんの論文を読めば分かることです。本文中の"we"は書き手と同時に読み手も含まれていると…これは習いました。自然現象を目の前にして、書き手も読み手も論文の前では同等なのです。書き手はその題材を用意しているのであって、論文は「100年後に読んでくれるかもしれない未来の研究者へのお手紙」なんです。しゃんとした気持ちで書く気になりますよね。すみません、これはプロの科学者へ向けたコメントではなくて、学生さんたちへの一言です。一つ下の講義ページの方がよかったかも。

4月から新しいメンバーがやってきました。

2014-3-24

春の物理学会

今日は大学院の学位授与式でした。今年は、酒井くんと高邉くんが広域科学専攻奨励賞を受賞しました。パチパチ。

さて、今週は物理学会があり、研究室の学生さんが発表します。私が指を咥えて眺めている間に、学生さんが日々苦労して得た結果を発表します。ひとこと宣伝しておきます。

高橋惇くん(M1)
私は基本的に現実的な性能の問題から量子断熱計算の研究は好きではないのですが、私も面白いと思えるちょっと異なる視点から量子断熱計算を考えています。どのくらいこの思想が伝わるか楽しみです。
高橋昂くん(M1)
3次元スピングラス模型が割とキレイにレプリカ対称性の破れの予言と整合しているように見える数値計算を示します。あれだけ散々やってきたのに、この手がありましたか!という感じです。具体的な模型は当日のお楽しみ。
西川くん(M1)
二成分の格子ガラス模型の有限温度の計算結果を示します。なぜ二種類の粒子を混ぜるとガラスになるのか?に答える研究ですが、とりあえず今回は結晶が壊れたところで、ダイナミクスが遅くなることを示します。
小松くん(M2)
一次元相互作用粒子系の固体転移を議論して、固体相が存在するPT相図を示します。この模型は一次転移になる領域が出てくるのですが、どうも単純に3次の項が降りてくるのとはちがうようです。一次元系なので当然、長距離相互作用系です。
高邉くん(M2)
整数計画問題の条件を緩めて線形計画問題にしたときの性質を、多次元ナップサック問題で調べています。2つの問題を内挿する統計力学模型を考えると、ちょうど境目でレプリカ対称性が破れるように見えます。
酒井くん(M2)
詳細釣り合いを破ったマルコフ連鎖モンテカルロ法を、一次転移を示す三体全結合イジング模型に適用した結果を示します。全磁化でひねるタイプの詳細釣り合いの破れを導入すると、スピノーダル点を超えられるか?というのが問いです。
篠嵜さん@加藤研(M1)
カイラル磁性体の模型の三次元模型の有限温度の性質をモンテカルロ法で調べています。単純な模型なのですが、磁場の応答が豊かで、なかなか面白い。

発表の結果と学会全体のレビューは後日にまとめます。しかし、今回は基本的に通いになりそうですが、遠い。できれば、どこかに出張して缶詰状態になるのが望ましいです。勝手な要望ですね。

2014-3-9

トーク

内角の低めにほどよいスピードでやってくると、気持よくショートの頭を越えていく。速すぎても遅すぎてもダメで、決まったツボが存在するようである。ほとんど技術はなく、せーのーで振った時に「よいポイント」があるというわけである。前向きに言えば、得意コースであるが、その他の全てのコースは不得意なので、打ち取るのは簡単である。今年の課題は右打ちできるコースを一つ追加することである。

さて、何の話かよくわからないが、最近よく思うことは、自分のトークに得意コースはあるのだろうか?という疑問である。この時間のトークなら、ピッタリ3秒余して爆笑付きというコースは…今のところない.しかし、今年の年度末は異常にトークの機会が多い。トークには、3分間スピーチから、学会の15分、研究会の20分、30分、セミナー60分、講義90分、集中講義15時間まで、結構様々あるのだけど、最近ことごとく

自分のトークがへた!

だと思う。得意コースがあったのかどうかも忘れてしまっている。関西人はトークがうまいのがデフォルトで、昔はトークは嫌いではなかったが、本当に今は嫌いである。準備に時間がかかるわりに、トークに切れがまったくない。これは自分ではなーいと思いながら、しゃべっている。今日一番受けたのは休み時間にしゃべったクイーンの配置分布。それではいけませんね。キレがないのは年か…いや、今年の目標は年をとらないことだったから、そのせいにはできない。まだまだ続くトークの機会、次こそ頑張ろう!

東北大学の佐々木さんとの共著の論文がarxiv:1401.4778に上がっています。解空間が分裂していることを直接確かめる数値計算方法の提案で、BM模型の動的転移を(ほぼ)静的に確認したことになっています。

2014-1-1

新年の抱負

明けましておめでとうございます。今年の抱負は

これ以上老けない

ことにしました。外見もそうでなのですが、中身が特に問題です。まずは体重。もうこれ以上体重が増えなようにしないと、それから、もっと大事なのは頭の中身。もうこれ以上老け込むことはないようにしたい。

それから、このページの更新も頑張ります。月一と決めてしまえばよいですね。月刊…福島研、目指します。

どうぞよろしくお願いします。

福島孝治

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最終更新時間:2014年01月17日 22時45分59秒