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DEX-SMI2006

特定領域DEX-SMIチュートリアル+キックオフ研究会: 案内ページ

12月17日(日) チュートリアル講演

日曜の午前中から始まった今回の研究会だが,初日から大勢の人が集まった.

樺島さんの講演
More is differentの解説をたっぷりと聞かせてもらう.もちろん,Andersonの話しなわけだが,樺島さんが話すとまた別の迫力がある.情報理論の世界でもそうかというのがこのプロジェクトの問いかけである.情報が多い極限からの接近法が役に立つことはあるわけで,CDMAの話をその典型例である.どのくらいの"More"が必要だろうか.その感覚があまりないので,なんとも言えないと思った.それは具体的な問題でかんがえるしかなくて,でも相転移のような片鱗が見えると大事なのだろう.最後に岡田さんは熱力学のような現象論はあるだろうかとの質問をしていた.確かにそれは大事だろうと思うし,そんな試みはこれまでにもあるのだと思う.おそらく,ミクロなビットをイメージした瞬間に熱力学のような現象論が作れるかということだと思う.物理の分野でも原子論を知ってしまって,量子力学も知った上で,熱力学をつくれるかな.
渡邊さんの講演
今日の注目はこの講演.ただ難しかった.「普通の統計力学の研究者の人には当り前のことなんでしょうけど...」という殺し文句から始まった強烈な攻撃はかわすのが精一杯でした.....知らないことばっかりじゃないか!!
自分のチュートリアル講演
研究成果発表と違って,聴衆に何か持って帰ってもらわないと,こっちが悪いという講演は正直しんどい.久々に入念な仕込みをして,本番に臨んだ.自分としては珍しく二週間前に研究室のみなさんの前で練習なんかしたりしたのだ.もちろん,前半の掴みの部分は秘密にしておいて,当日ウケテもらうことにした.後半のメイン部分は練習の結果部分的に書き直したところも多い.過激な文章も軟らかくしたとこもある.90分という時間は通常の講義でそれなりに体にしみついているところもあるが,講義と違って板書をしない分は読みきれていなくて,本当にぴったり90分話してしまった.10分前に切り上げて,議論の時間にすべきだったと反省する.講演中にも突っ込みをいれてもらったりして,よかった.どうでもよいことだが,理学部系の人は講演中にも質問することをよしとしていて,普通に質問するのだが,工学部系の人はお行儀がよく講演後に質問されることが多かったように思った.文化の違いかも知れない.
  • 当日の発表資料はこちら:FSS-tutorial-huku.pdf(513).久々に発表資料を公開します.latex-beamerで作っていて,handoutモードでの出力なので,発表したものとその意味で違います.さらに,ボーケンジャーの写真はまずいので省いています.pptな人が多いので,非pptの啓蒙になればうれしい.
  • 樺島さんのトークのしめに,ヘミングウェイまで出されたときにはちょっとやられた感じがしたが,そこはボーケンジャーで切り返して,ウケのネタにしようとしたところは,なんというか,関西人のがっつき感覚丸出しだった.もちろん,ここはがんばるところではない.
  • それでも,全体としては,私らしさが出たのではないかと思う.数値計算を実際にやっている者だけが持っている感覚を伝えられたかなーと思う.一番前の席の学生さん(おそらく樺島研)がよいペースメーカーになってくれていて,隠れキャラ?的な繰り込み群ネタにイチイチ反応してくれていたのはよかった.

12月18日(月)研究会初日

午前中は講義があったので,失礼させてもらって,午後から参戦.体調が優れずに,講義で声がほとんど潰れてしまった.

  • 西森さん,林さん,和田山さんの話を聞いたが,ほとんど戦闘不能状態になっていたので,コメント書けません.すみません.
  • 西森さんの慎重な口調がかえって,実用性のなさを強調しているように聞こえなくもない感じがした. 別に実用性が売りでは無いのだろうから,そこは問題ではないのだと思います.実質的な計算時間が,最悪でなくて,典型評価を反映するようだと,またそれはそれで面白いし,反映の仕方が古典的アルゴリズムと違うのだとすると,それは面白いと思う.どうでしょうか.

12月19日(火)二日目

もう声がほとんどでなくて,会話するのも辛い感じです.うんうん,たっぷり勉強させてもらいました.田中利さんの話しで,ベクトル通信路があれよあれよで,個別のガウシアン通信路になってしまうのは騙された感じである.そこに連れて行くために用いられていた各種ツールは計算ツールというよりはものの見方として参考になる.特にすぐに使いたくなるわけではないが,いずれそんな場面に遭遇したら...竹田さんの適応TAPの解説では,どうも自分の理解とちがうので,勉強不足を感じざるを得ない.午後は,村山さん,田中さんと続く.どこかで聞いたことのあるような話しだった.池田さんは移動する車で衛星放送の受信する話し.池田さんのことを良く知っているわけではないが,今日の彼はまったく別の側面を見せてくれた.数理ばっかりやってるわけじゃないところが,カッコいいじゃないですか.前から言っているように,外見もカッコいいのである.本村さんはあいかわらず迫力満点の話し.

夕方オフィスに戻る必要があったので,懇親会は欠席.体調のことを思えばよかったかもしれない.いまひとつなレポートで,これでは何も書かない方がいいような気もする.また明日.

12月20日(水)三日目

最終日もいろんな話で楽しませてもらった.大久保さんは複雑ネットワークのレビューをスマートにしてくれた.井上さんの話も部外者にもわかりやすい説明をしてくれていた.結局,前処理で次元を減らして,EMが使えるようになったという話だと思う.個別論として一つの戦略なのだろう.世の中には話の上手の人がいる.今日もそう思わされる人がいた.石井さんである.改めてその道の深い部分を知らないことは痛感させられるのだが,それでも話の大筋は理解できて,かつ,「差」を認識させるのはプロの技だろう.

今回のゲストは,名古屋大の岡本さんと笹井さん.お二人ともある意味で対称的なトークだった.岡本さんの話はよく知っているが,次のターゲットとして膜タンパクに取り組まれていることがnewsだったかな.笹井さんの話をじっくり聞くのはしばらくぶりだが,時間がとまる数少ない人である.そういえばチケンジさんが今年から助手で行かれたようだ.そして,トリは岡田さん.しっかり練られた話で,最後はMarrの話で締めくくられた.

なんとも歯切れの悪いコメントに終始してしまいました.

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最終更新時間:2006年12月25日 20時31分58秒