第3回のおさらい

今日のおしながき
  1. 静電場の物理
    1. 電場の導入,場について捕捉
    2. 重ね合わせの原理
    3. 幾つかの例題
今日の配り物
けちって70枚しかコピーをとらなかったので,十名弱足りなかったようでした.申し訳ない.コピーをとるか,下から持っていって下さい.PDFファイル読めますか?ダメならば,申し訳ないが,私の部屋の前の封筒の中に数枚置いておきました.
  1. レジュメ:電場の計算例に関するものPDFファイル(66KB)
  2. レポート問題:PDFファイル(54KB)
今日のまとめ

先週大忙しでクーロンの法則に従う電場を導入したが,場というものについて少し説明した.気圧のようなスカラー場とこの講義で主な対象である電場磁場のようなベクトル場があることを説明した.後々のことを考えて,場に対する(偏)微分操作を説明しておく.gradはスカラー場に作用する微分であるが,この作用によってベクトル場が作られる.gradientが勾配であることの理由はわかっただろうか?

その後で,重ね合わせの原理を説明した.これは場が線形であることと同じことである.この原理を使えば,一つの電荷だけでなく,多数の場合への拡張ができる.多だ単にたし合わせればよいということである.点電荷だけでなく,空間的に分布している場合にもどうようである.くどうようだが,空間的に分布していたり,平面に分布している場合の重ね合わせの式を示しておいた.

重ね合わせの原理が簡単なだけに,かえってどうすれば電場が求まるのかのデモを示すべきど考え,直線電荷のつくる電場についてゆっくり説明した.最初の式をかくところだけを集中的に説明.後の計算はレジュメを配っておいた.どこか計算ミスしているところがあるかもしれないので,チェックしておいてほしい.さらに,幾つかのポイントで「チェック問題」を示しておいた.講義の中でもどんな問題かは説明した.そのレジュメには平面電荷の場合もかいておいた.是非,自分でチェックしておいてほしい.

今日の講義で,どんなに複雑な電荷分布でも,それが作る電場を「原理」的には計算できるようになったはずである.実際の計算は,コンピュータにやってもらえばいいのだが,その基本となる考え方を良く理解しておいてほしい.来週は,この電場の従うもう少し一般的な性質を見て行くことにする.

今週の宿題:
  1. レジュメのチェック問題:有限の線電荷の作る電場を計算したが,線電荷の長さを0にした極限ではどうなるかを考察しよう.単純にl=0としてしまうと,電場はゼロになってしまう.すなわち,その極限では線電荷がなくなってしまうので,電場は生じないということになってしまう.しかし,うまく極限をとると,点電荷のクーロン電場の式になるはずである.そのような極限の取り方はどうすればいいか.
  2. 反対の極限として,線の長さが無限大のときには,どうなるかを考察せよ.答えはレジュメに記されているとおり,E(動径成分)∝1/rE_z=0となる.後者がゼロになる理由を考えよ.
  3. 平行平板の作る電場をその次に計算するが,二枚重ねた時にどうなるかを調べよ.
今日の質問:
ちょっと,質問やコメントを頂きましたが,できれば講義中にしてもらいたいところです.
  1. grad=∇というのは気持ち悪い!
  2. 確かにこれは変だぞ.そんなこと書いたっけ?書いていました.ノートと違うことを書いていました.ナブラ∇は微分演算子のことで,それをスカラー場に演算することをgradと言います.スカラー場をΦとすると,gradΦ=∇Φというわけです.gradの他にもベクトル場に作用する演算も今後出てきます.
  3. 電場を計算する式の最後のところで,√ほにゃららで割っているのは何故か?割りすぎではないか?
  4. 同じ所で,なぜ3/2乗がでてくるのか?
  5. ここ大事ですよね.ここがわからないと何にもできないですからね.最後の項は単位ベクトルにするために必要な項です.もう一度,よく考えてみて下さい.
今日の雑談:

もどる
Koji Hukushima (hukusima@phys.c.u-tokyo.ac.jp)