今回はガンバって80枚のコピーをとったら,全部はけました.足りたかなー.
- レジュメ:第一回レポートの解答例PDFファイル(86KB)
- 第二回レポート問題:PDFファイル(36KB) 来週講義がお休みなので,レポートを出しておくことにしました.ただ,問題の趣旨をうまく説明しなかったので,ここで捕捉しておきます.
- クーロン電場のベクトル場としての性質を少し見ておこうということです.2つあって,いずれも原点を省いたところで,実際に∇を作用させてみようということです.計算問題なのですが,その物理的意味もちょっと考えてみて下さい.
- 問2はガウスの法則を使ってみようという例題です.簡単のため,無限に長い円柱として構いません.2-1はガウスの法則が理解できているかをチェックしています.2-2も同じなのですが,「くりぬく」ということをどう考えますか?2-3はその点をあからさまに聞いている問と思えます.また,ガウスの法則の使いかたに注意が必要で,改めてこの法則の性質を考えることになるかな?
- 問3は幻の問題になってしまいました.(単に数字をとばしただけです.)適当に問題を作って,解いてみてもいいですよ.私の大学一年の物理の試験の最後の問題は,「自分で適当な問題を作って,解け.」でした.意外と難しいもんです.アホみたいな問題だったら,マイナスされそうだし,がんばって問題を考えたら,解けなかったりと...
- 問4は,電気双極子というよくある例題の電位と電場を求めようという問題です.中心近くに正負両方の電荷があったときに,遠くからどのように見えるか?「ガウスの法則から適当に閉曲面を設定すると,中の電荷が0だから,電場は無い」という完全な誤解です.これがわからないと,なぜこすった下敷に髪の毛がくっつくのかはわからない?
- 問五は講義の感想を教えてください.あるいは,宿題でわからないところはなかったか?という質問です.
ガウスの法則の微分形を導くために,ガウスの定理の証明をしておく.あまり数学的には厳密ではないが(といっても,普通の物理の教科書に書かれている程度),論理的に跳ばないように説明したつもりです.一度ゆっくり考えると,自分でもできそうですよね.後で出て来るストークスの定理も同じような証明ができます.さて,ガウスの定理に電場を当てはめ,ガウスの法則を合わせることで,微分形を得ることが出来る.これがマクスウェル方程式の1/4(静電場の範囲)である.ここまでで,クーロンの法則からガウスの法則(積分形,微分形)を導いて来た.ここで2つの法則の関係を議論した.例えば,逆は不可能であることを指摘しておいた.つまり,ガウスの法則を満たすベクトル場が唯一つ決まらないことのアウトラインを示した.最後は簡単なベクトル場の恒等式が必要である.これは宿題としていおく.この不定性を固定するためにはベクトル場の回転がないことが必要である.実際に,電場の回転はないことはレポート問題として出しておいた.すると,今度は条件式の数が過剰になるのだが,これは実際に強い拘束条件になっている.
ここで,保存場とポテンシャルの関係を議論した.これは実は力学の講義でカバーされている範囲であろう.本当に大丈夫かどうかはちょっと不安である.前の方の学生さんの顔色を伺ったが,うーん,きっと大丈夫か...今日はあまりまとまった話しにならなかったが,保存場の定義からはじまって,保存場であることの必要十分条件として,場が回転を持たないことを指摘した.ここにはストークスの定理を使う必要があった.定理の説明だけをして,証明は今日は割愛した.力学のときにここらあたりまで,議論するが,最後のストークスの定理は出てこなかったのではないだろうか(私の力学では省略している).保存場であることから,ポテンシャルが導入できる.このポテンシャルのことを電磁気学では特に電位と言う.電位の導入をここまで引き延ばしたが,その甲斐はあったのだと思うのだが,どうだろう.最後に,電場と電位の関係とクーロン電場(電位)を紹介して,終了.
- レポート問題の1で,∇・E=0を示せとあるが,ガウスの法則ではそれは電荷密度/ε0になるのでは...
- そうですが,ここでは電荷は原点においてあって,示すことは原点以外のところでそれが成り立つことを要求しています.