なしです.
前回の講義で静電エネルギーの話をした.今日はその例題からはじめることにする.ここでの例題は一様に帯電した球電荷の静電エネルギーを計算してみた.前回の点電荷の静電エネルギーの導入と同じように,球電荷を作る容量で順々に薄皮を足して過程でのエネルギーを見積もる.大体どんな教科書でもこうやって計算しているようである.もう一つの方法として,前回の最後の式を用いて,電荷密度と静電ポテンシャルからも計算してみる.ふと,思い出すと,球電荷の電位を講義では求めていなかった(きっと).そこで答えだけ示しておいた.その式を用いて,実際に計算.当然,先の答えと一致する.静電エネルギーを2通りの方法で計算してみたのである.こういう話をすると,どっちか簡単な方を覚えて....などと思ってしまうかも知れないが,今回の場合はどっちもどっちであるし,そもそも,同じ答えがでる沢山の方法を知っておくことはよいことである.なんとなく面白いし.さて,結果についてであるが,
次に,静電エネルギーの表式を電場だけで書いてみることにする.前回の質問がなんとなく気になっただけである.電荷密度を隠すために,電場の従う法則を全て使うので,復習の意味もこめて解説する.最後の変形では,グリーンの定理を使うのだが,やはりここでも証明は省略した.グリーンの定理は静電ポテンシャルの性質を議論する際によく使われる.さて,最後の表式は電場の二乗に比例する形に綺麗にまとまる.この式をみるに,電荷(密度)が(おもてむきは)消えているので,エネルギーが電荷そのものにあるのではなくて,電場として空間に点在しているように思えるわけである.
静電場の話の最後にコンデンサーの話をした.高校の教科書を見るに,いろいろなことが書いてあるが,まさに覚えるべき公式の羅列のようであった.そこで,これまでやってきた知識を使って?,2枚の平行平板のコンデンサーの状況をゆっくりみてみる.この場合には,電位差(電圧)と電荷の間に比例関係があり,その比例係数を電気容量と定義する.こう考えると,もはや平行平板だけでなくて,いろんなコンデンサーがありうる.例として,2つの円筒の同心にならべたコンデンサーを示した.このコンデンサーの電気容量は宿題にした.導体球2つもってきても,コンデンサーになる.どんな場合でも,2つ導体の距離が近い方が電気容量は大きくなる.これは一般に示せるかなー.
最後に,磁場の話に行くために電流の話をする.ここで十分前になった.これ以上進んでもキリのよいところが見付からなかったので,いさぎよくここで終了.
- 2つの導体で両側挟んだ電荷の問題の話をした.ちょうど中間に置いたときは映像電荷は2つでいいとかいったけど,本当デスか?
- うそでした.ちょっと考えるとすぐにわかります.無限に置く必要があります.いいでしょうか.誘導電荷の合計は-2qになります.電位の式を書くことはできますが,電荷分布は私にはわかりません.できるかなー.