ないのですが,今日は第二回レポートを返却.昨日,全てのレポートのチェックを終える.以前に配った解答例よりも素晴らしい解答があった.レポートを見た後の感想も含めて,解答例(PDF, 97KB)に加筆する.書き足した部分は青で書いた.
前回に,静磁場への導入として,電流の話をした.電流密度と電荷密度は電荷保存則で関係付けられる.ガウスの定理を織りまぜることで,連続の方程式までたどり着く.これは局所的な法則になっておるので,積分形よりも強い法則になっている.ある空間の離れたところで,同時に正の電荷が消滅して,別の場所からわきだしてくるようなことは,電荷の保存則は満たしているが,許されない. 静磁場の状況設定は,電荷が動いている動的な状況なのだが,定常的に動いている場合しか考えない.それは,電流密度の発散がなく,電荷密度の時間変化がない状況に対応する.
まずは,電荷が磁場から受ける力を復習しておく.それはローレンツ力で表される.とにかく,動いていないことには,磁場の影響はないことがわかる.さて,磁場の源はここでは電流であると考える.電場の源は電荷であったが,磁場には対応する素磁荷は存在しないと思われている.今までに実験的に観測された例はない.そこで,磁場の源はここでは電流であるとかんがえるわけである.(微小な)電流要素が作る磁場の法則はビオーサバールの法則である.これは電場でのクーロンの法則に対応する.磁場の導入の仕方にはいろいろあるが,ここではこの立場をとる.静電場との対応関係があるので,私はこのやり方が好きなのである.電場の時にも例をしめしたので,ビオーサバールの法則を使って,磁場を求める例として,直線電流の作る磁場を求めてみた.クーロンの法則と同様,この法則さえ覚えていれば,原理的にはどんな電流密度,電流をもってきても,それが作る磁場は計算できる(はずである).高校の教科書ではこれをアンペールの法則で求める方法がとられいるかも知れない.環状電流の例も示しておいた.
ここで十分前になった.来週はアンペールの法則から入ることにすると予告して,終了する.電場のガウスの法則に対応する(だけでそれとは直接関係ない)アンペールを解説することにする.
なし.