講義では配らなかったですが,レポートの解答例を作りました.第三回レポートの解答例.いろいろ書いたので,コメント頂ければ幸いです.コピーが必要な人は要求してください.ドアの前にも少し置いておきます.
(2004,01.29追記) 徐々にコピーが減っているような気がするのだが,その減りは極めてのろい.みなさんは,解答例は必要ないということか.
今日は動的な電磁現象を考えることで,磁場と電場の従う法則を混ぜて見る.まずは,ファラデーにより実験結果を簡単にまとめる.まずは,ファラデーの規則について説明する.そこでは起電力が磁束の時間変化に関係している.回路が動く場合と磁場が変動する場合についてのできるる簡単な解釈を試みる.ローレンツ力が起因になっている説明できるのは,回路が動く例で,磁場が動く例を解釈するために,磁場の時間変化と起電力を結びつけてしまう.ストークスの定理を挟むことでファラデーの法則が出て来る.なんか,全ての場合をつぶした議論が出来ているわけではないので,なんとももどかしい.とにかく,実験事実ベースの法則であることを強調して,この磁場と電場の交わりを見ることにする.当然,静電場静磁場を含む拡張になっている.例題として,交流電場発生器の原理を見ておく.
次に,今度は少し理論ベースのマクスウェルーアンペールの法則を見てみる.静磁場のアンペールの法則の発散を両辺でとることで,電場の時間変化の項が一般には消えないことを見ておく.さて,どこに修正を与えようか.可能性はいろいろあると思われる.アンペールとガウスと電荷保存の3つを使っている.マクスウェルの変位電流は最初の一つに手をつけたことに対応している.もちろん,静磁場のアンペールをこわすこと無く,そーと余計な項をはじめからさっ引いておいたわけである.変位電流の感じをつかむために,コンデンサー間に流れる変位電流の例を紹介しておく.
これで,マクスウェル方程式の4つがでそろったことになる.後は,ローレンツ力とニュートンの運動方程式で電荷の運動論は(少なくとも非相対論的な領域では)尽きてしまっているわけである.最後に,マクスウェル方程式をいじくりながら,静電ポテンシャルとベクトルポテンシャルの従う方程式が波動方程式になることを確認しておく.ただし,ここではローレンツゲージを選んだ.そうすることで,2つのポテンシャルの方程式が完全に分離する.
- ゲージとは何?
- 日本語だと目盛りという訳だろうか.ポテンシャル導入時に現れる空間の各点に不定性が残る.我々の観測される物理量はこのゲージにはよらないことが要請されるが,それ以外にこれを固定する指導原理はなく,むしろこの自由度を使って人間の分かりやすい固定法を選ぶことができると考えてよい.