今週の宿題:大学院の講義には、大きく2つの特色があると思う。一つは、基本的なアドバンスな講義で(なんか日本語がヘン)、そこでは学部よりも難しいが基本的なことがらを学ぶ。場の理論とか、ここだとカオスとかだろうか。もう一つは、あるトピックを選んで、ちょっと専門色濃厚な講義かな。私は何を話そうかと悩んだ。手持ちの札がないので悩んだというのが主な理由だ。例えば、「相転移と臨界現象」とかやって、ループ計算ぐらいやってみようかとも思ったが、それならば別の人でもいいかとも思える。そこで、やはり?「ランダムスピン系の統計力学」をやることにした。(「計算機を使わないで計算物理手法」という企画もあったけど。。)
そんなマニアックな話しをする以上、説明責任があると強く思ったので、今日は、何故今(さら)スピングラスなのかをしゃべった(つもり)。 最近、情報統計力学なる言葉が一部で流行っている。何を隠そう私もその恩恵?をうけている。そこではレプリカ法とか平均場近似とかがリバイバルしているわけだが、その価値判断を冷静にできるためにも、そんな計算ができることは悪くないと考えたわけです。なので、この講義のゴールは、レプリカ法の計算ができるようになること、それからスピングラスの平均場理論でランダムネスをもつ統計力学模型について何がわかったかを明らかにすることです。今日はまずは実験から入ろうと思ったので、スピングラス物質の例とスピングラス実験(必須事項?)を説明した。実験の話は、手で絵を書いて説明しようと思ったが、いかにも説得力がなかったので、今朝になって急遽、エジュメをつくった。しかし、論文からスクリーンショットで抜き出して、TeXに貼りつけたので、非常に絵が汚かった。申し訳ない。しかも、非線形帯磁率発散の図は以外とすぐに見付からずに、手持ちの紙をデジカメでとって、....とやったので、見るに耐えないものになってしまった。プロジェクター持っていって、移した方がよかったか。 次回は、モデルの話しからはじめたい。
今日の質問: ちょっと質問しずらい状況だったかな。私が緊張していたこともあろう。質問多いに歓迎なんで、いろいろつっついてやってください。全部は覚えていませんが、こんな感じ。
- RKKY相互作用を導出してみよう
(2003.4.15) 答えを作ってみました。係数とか間違っているかも知れませんので、ご指摘下さい。。磁性の教科書には間違いなく解説されている事柄です。そして、スピングラスの教科書には間違いなく解説されていない事柄でもあります。明日の講義の準備を前に、またしても余計?なことをやってしまいました。ご参照下さい。PDF file(154KB)