今日の宿題: なし先週は,レプリカ法を用いて,補助場による積分表示まで示した.今日は,その 積分の評価からはじめる.まずは,例によって,鞍点評価したいのだが,補助場 が一杯あって難しい.有効模型はレプリカ指標の転置に関する対称性を持ってい るから,鞍点解のそのような性質を持つべきだろうというのが,レプリカ対称解 の精神だが,形式的にはそうでも,実際的には難しくてできないというところだ ろうか.その仮定の元で計算を進めて,レプリカ対称な自由エネルギーの表式を 得た.鞍点条件から,補助場の状態方程式が求まる.qとmで対称な?キレイな形 にまとまる.
次に,qやmが元々の模型の秩序変数に等しいことを示して,相図を書いてみる. この解析は強磁性の時にやった議論と同じである.この辺りで一度意識が飛びそうになる.自分のノートの気持ちが理解できなかっただけなんですがね.気を取り直して,レプリカ対称解での絶対零度のスピングラス強磁性転移の境界を求めておく.レプリカ対称解がダメなことがわかっているからか,この値が乗っている教科書は今までのところ,高山先生のと堀口先生のものだけ.それからSKの本論文と.実際にやると一瞬悩むのでやっておく.
このあたりは計算だけで消耗なので,来週こそは計算ノートを配ることにしようと,今は意気込んでおく.qとかmとかだけ見ていると,レプリカ法自体は大胆だったものの,後は普通の平均場相転移論になっていて,全然驚くことはない.大騒ぎするほどのことは何にもないようにみえる.来週は,エントロピーが負になってしまうことを示してから,どこが悪いのかを考えてみることにする.そこからがオドロキのはじまりであった,少なくとも私には.