今日の宿題: なし段々計算の詳細が複雑になってきたので,おはなしの連続になってしまう.これ でいいのかという不安はいつもある.今日は,まずTAPの解の個数について説明. 計算のアウトラインというか,何をすれば解の個数が評価できるかを説明する. 実際の計算はそんなに簡単ではない.答えは著しい数の解が存在することだ.ど うやって解の個数を評価するか,つまりどんな付帯条件をつけるかによって,多 少は係数が異なるが,基本的にスピン数の指数関数的である.この事実はレプリ カ法からはわからないことである(きっと).しかも,温度低下に伴いその解の個 数がどんどん増えるというのだから,また不思議である.しかしながら,その中 で,本当に統計的な重みを持っているのは小数であると考えられている.つまり, TAPの自由エネルギーが小さいものはそんなに沢山はないということである.こ れもまた不思議といえば不思議である.よくレプリカ対称性の破れと多数の(準) 安定状態の存在が同一視されることがあるが,それはとっても非自明なこと,と いうか本当は別のことだろうと私は思っている.まだ,それらの関係について, 我々はよく知っている状況にはなくて,一つ一つ,場合場合で調べる必要がある と思う.例えば,ある系が1ステップRSBを示したとしよう.その系の解構造はど のなっているかどうかは,やっぱりすぐには答えられないのではないだろうか. SKやその周辺模型の結果があるので,妄想は可能であるけど.
SKの場合は大丈夫そうであることを次に議論した.つまり,レプリカ理論とTAP の整合性の話である.また後で書きます.....