今週の宿題:これまでに1つの質点系の運動にのみ着目して議論してきた.惑星の運動も太陽 の質量はとても重いとして,惑星が太陽を引っ張る力の効果は無視してきた.こ こではそれが無視できない多数の質点の力学系を考える.それを質点系と呼ぶ. まずは重心の運動方程式を導く.内力が作用・反作用で消去できて,結局重心の 運動は,重心の位置に全質量が集中し,そして外力がそこに集中した「質点」の 運動方程式になることがわかる.この事実が我々が質点の力学系を出発点として 詳しく議論してきたことのある意味で正当性を与えている.そのあとで,重心の 運動量や角運動量を見てみる.
また,質点系の運動エネルギーを考えると,それは重心の運動エネルギーだけで は表せないが,重心運動と相対運動の項に分離できる.重心から見た相対運動の 総運動量は定義からゼロになる.そのことを使えば,全角運動量も運動エネルギー と同様に重心運動と相対運動の角運動量に分離することができる.その時間微分 が力のモーメントになることも同様にしめせる.例題として,一様な外力(重力 場中とか)の運動では相対運動(重心から見た)の角運動量は保存されることがわ かる.猫をほーりなげたときに,足から着地するときに体を捻らざるを得ない理 由はここにある.回転する椅子に座って手を水平面に平行に振ると足は反対方向 に動くとか...
多数の質点からなる系はあちこちに例題がある.簡単なところでは月と地球の運 動やら,ロケット問題(花火問題),連成振動とか...今日は具体的な例題を詳 しく紹介できなかったが,是非いろいろ考えてみると良い.
今週のレポート:
- なし.
今日の質問:
- なし.