先週のつづきとして,熱力学と統計力学の関係をちょっと説明する.ここまで,あまり突っ込んだ話をしていないので,ピンとこないかもしれませんが,2つの相違点についてわかったでしょう?.これまでまだ統計の「と」の字も出てきていなかったのだが,ここでようやく,確率の話に入ることにします.例題として,何をするかはとても悩みました.よくあるのは,コイン投げなんですが,ここではおはじき分配問題にしました.場合の数とか,懐かしい階乗の計算をしました.ここで,分配に関する等重率の仮定を持ち込み,確率の見方を導入しました.そうすることで,例えば,ある注目する人がxコもっている確率とかを計算することができます.その課程でStirlingの公式を使いますが,それは実際には導出しないで,アウトラインだけ示して宿題にしました.そのあとで,あるグループがM_1ヶもつ確率を同様に計算し,期待値と最もらしい値,また人数が著しく大きなときの振舞について,説明しました.
最後の方の計算はちょっと省略しました.来週示すかプリンとを配るかどちらかにしたいと思います.今日やった問題は,実は量子系の調和振動子の統計力学的取扱いの例と全く同じです.あるグループの振舞を見る問題は,部分系を取り出す操作に対応していています.後からその意味合いがわかれば,嬉しいところです.
- Stirlingの公式の導出.
- 微分と和の順番はどうして入れ換えよいのか?
モーメントを計算する比較的一般的な方法として,母関数を計算する術があります.ここで,上記の問題が出てきます.- グループ1がM_1ヶもつ確率の意味
このあたりは,少し飛ばしてしまったので,意味合いを良く堪能できなかったかもしれません.複雑な状況が出てきたときにまずやることは,簡単な状況を考えること.まずは,グループ1の人数N_1が1の時を考えてみますか?.そうすると,これは前にやった問題と同じです.そのときは,グループ1の中でM_1を分配する場合の数は1で,確率が指数的になります.N_1にしたら....