今日は何をしようか迷ったが,調和振動子系の量子力学的な取り扱いを問題とした.この講義のシリーズは量子統計力学は含まないのであるが,全てを避けるというもの不自然だと思ったので,この話題を選んだ.量子力学はおそらく今どこかの講義で習っているところであろう.調和振動子をやらないことはないだろうから,詳細はそちらで習うことにして,ここでは結果だけを用いて統計力学の取り扱いを試してみることにする.実はレポートで古典調和振動子系の問題を出したので,その対比をするといろいろと面白いことがわかる.この問題は導入で扱った,おはじき分配問題の統計力学になっている.さて,この問題の結果は高温でエネルギーの等分配則が出て来る一方で,低温ではそこからずれが生じ,比熱がゼロになり,またエントロピーが絶対零度でゼロに(ちゃんと)なる.この辺りはあまり喋るとレポートの答えを言ってしまいそうなので,歯切れがわるかったかも.
量子調和振動子系の典型的な応用例として,固体の比熱の問題を取り上げる.まずはEinsteinモデルの話で,これでエネルギー等分配から外れてかなりのところまで説明できることを見た.ほとんど新しい計算はしていなくて,どのように固体の問題に当てはめられるかだけが大事であった.実験事実とずれているところは低温のT3則である.それを説明するために導入されたのはDebyeモデルである.そこにいくためには,3次元の波の自由度の数,状態密度をしっておく必要があり,まずはその辺りを説明する.もう一息でDebyeモデルが完成だったが,タイムアップ.
今日は手書きのノートをコピーして配る.
- なし.
なかったっけか.