先週は保存力の話しをしたので,今日はそうでない方の力の話し.摩擦のお話をする.ここで何が言いたかったかは,ちょっと不明ですね.とにかく保存力でない例を示したかったのですが,アモントン=クーロンの法則からすべり摩擦の話まで,完全にヨタ話になってしまった.まあ,こんな話をして,摩擦に目覚めてくれればいいか.
次にポテンシャルの話をいろいろ話す.まずは,ポテンシャルは力が与えられたときに基準点からの仕事として定義された,逆にポテンシャルが与えられたときに力をどう表すかを示しておく.算数で示しておいて,その意味を考える.ここまで出てきたポテンシャルにかかわるキーワードをまとめておいた.経路によらないということから,ポテンシャルの定義に繋がり,それと渦無しの条件がお互いにどういう関係かを説明した.渦無しの条件からポテンシャルの方にもってくる議論は出来ていないが,これは冬学期の電磁気でやることになるでしょう.幾つか具体例として,万有引力ポテンシャルやバネのポテンシャルを挙げておく.これは挙げるだけで,実際にそこから力を出してみるのは,宿題にしておく.
ポテンシャルの話しの最後にポテンシャル曲線の話しをする.保存力の場合には,ポテンシャルを考えることが出来るので,運動方程式をといて,軌道を計算しなくても,ポテンシャル曲線上での運動を考えることで,特徴的な運動は理解できる(この理解というのはどういう意味かは難しい).適当にグニャグニャしているポテンシャル曲線をもってきて,そこであるエネルギーと初期条件を与えた時に振動するとか,どっかいっちゃうとかはすぐに分かる.ここでポテンシャルエネルギーが力学的エネルギーを全部持っていて,折り返して,段々運動エネルギーが増えて来て....などとイメージができれば,またそれは一つの理解ではないでしょうか.こういう話しをすると,いわゆるHookeの法則はポテンシャル関数の平衡点回りの局所的2次曲線近似と同じであることがわかる.ほー,そうすると,結構一般的だなーと思えるわけである.今日の話しはもっとも簡単な一次元運動の話しだったが,これがもっと次元が増えたり,多粒子系になったりすると,複雑にはなるが,同じように考えられると嬉しいだろう.タンパク質なんかもそんな範疇に入るかも知れないと,ここでもまたヨタ話をいれておく.
最後に来週の予告をしながら,極座標を導入しておく.来週はぶらんこの原理をいろいろ眺めることにする.
なし.
- もう一度,エネルギー保存則を力学的エネルギーEの時間微分が0になる ことで確認しよう.
- 力とポテンシャルの関係(F=-∇U)が成り立つときに,渦無しの条件(∇×F=0)が成り立つことをを示せ.
- 万有引力ポテンシャル(スカラー)から万有引力(ベクトル)をもとめよ.
- バネポテンシャルからHookeの法則を求めよ.
- 転回点とは?
- ポテンシャルから力を出すときの式変形?
- ここはちょっとだけ面倒ですが,誤魔化して黒板に書きました.ちゃんとフォローできるかなーと思っていたら,早速質問が来ました.聞けば(あるいはちょっと考えれば)納得な式変形です.
- dE/dt=0のEは?
- これは力学的エネルギーです.ちょっと文脈がずれていたので,わかりにくかったかもしれません.
- 渦無しの条件って?
- それはまさにグルグルまわっていないということです.って,それではわからないと思ったので,絵を書いて説明しました.
- 渦無しの条件って?
- 今日のコメントより
- ニャー.
- ワンワン!