第2回

今日のおしながき
  1. 運動の記述
    1. 速度ベクトル
    2. 加速度ベクトル
    3. ベクトルの演算
  2. ニュートンの運動の3法則
    1. 第一の法則
    2. 第二の法則
今日のまとめ:

前回は運動の記述のために質点を導入して,その運動は位置ベクトルの時間変化をもってして,記述するところまで説明した.今回は,未来を予測するためにもう一つ必要な情報として,速度ベクトルを導入する.定義は位置ベクトルの時間微分で与えられる.速度ベクトルが与えられると,少しだけ未来(時刻がΔtだけ進んだ)の位置ベクトルを予想することが出来る.その議論をもう少し進めて,さらにもう少し2Δtだけ未来を予測しようとすると,t+Δtでの速度ベクトルが必要になる.その速度ベクトルを予測するためには...と思うと,時刻tでの加速度ベクトルが必要になる気がしてくる?.そこで,速度ベクトルを定義したように加速度ベクトルを定義する.すなわち,速度ベクトルの時間微分として,導入するわけである.このような議論をすると,未来を予測するために,あるいはより精度よく予測するために,現時刻の情報をどんどん集めてくれば,良い気がする.例えば,加速度の時間微分としての超加速度,さらに超々加速度...しかし,力学ではそうはやらない.その力学の基本的な法則に行く前に,いつくかのベクトルの演算について,まとめておく.加減,スカラー積,ベクトル積それからベクトルの微分についてである.特に,ベクトル積は高校ではやらなかったことかもしれない.良く知られているベクトル演算の恒等式を幾つか示したので,各自で確認しておいてほしい.

さて,まずは力学の基本法則としての,ニュートンの法則について,第一の法則(慣性の法則)と第二の法則(運動方程式)を説明する. ここは混乱を避けるように?説明したつもり.いろんな混乱はこんな感じです. この第一・第二法則には,2つの見方があって,質点の運動の変化と力の関係を右から左に見る方と,左から右に見る方です.それぞれに出発する考えが違うので,よく考えてみて欲しいところです.次回は第3の法則から,運動方程式を解かずに分かることを幾つか考えて行きたいです.

今日の配布物:
なし.
今日の宿題:
  1. 等速円運動(角速度ω)する質量mの質点がある.
    1. 速度ベクトルを求めよ.
    2. 加速度ベクトルを求めよ.
    3. 速度ベクトルと位置ベクトルが直交していることを示せ.
    4. 位置ベクトルと加速度ベクトルのベクトル積が0であることを示せ.
    5. 力(ベクトル)を求めよ.
  2. ベクトル演算の恒等式(省略)を示せ.
今日の質問:
ベクトルの表記について

私の板書が汚いせいで,いったいどんな太字を書いているのか?という疑問が出る.なんらかの規則はあるように思うが,きちんと説明できずに,aはこう,bはこうと言う具合に示してみる.ここから一般的なルールを解読するに,1.長い直線に沿えるように太線を,2.基本的に右側を太線にというルールがありそうである.そこで,「sは?」と聞かれて困ってしまう.sは太字では書かない! すくなくともここ数年はsをベクトルで書いたことがない.ほんとかなー.

(a×b)2の演算
O(Δt2)の意味

ここらへんについては,次回にプリントを配ります.

慣性系とは...
今日の雑談と反省:

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