今日は,まず先週の復習をかねて,加速度ベクトルの例を書いてみる.円運動の加速度ベクトルが位置ベクトルと平行であることを図示しておく.次に,これまでの話しで出てきた量の次元をまとめておく.必要なのは長さと時間の次元だけである.それを使っていくつかの量の次元をみておいた.先週配った練習問題を見ておくと,復習になると思う.次に,ベクトルの演算をまとめておく.ベクトルの内積までは,よく知っていたでしょう.最後にベクトル積を説明した.これまでの知識をつかって,ベクトル積がどっちむいているのかを説明する.大きさは宿題として残しておく.これは力学のなかでも出てくる演算であるので,よく勉強しておこう.
さて,ここから物理の話しに突入する.このシリーズの講義の最初のキモである.それはニュートンの法則と呼ばれている運動の3つの法則である.まずは,第一の法則.これは慣性の法則ともいわれている.黒板にどかーんと書いた法則は,読めば読む程になんのこっちゃよくわからん法則である.講義でもあんまり「わからん」ということを前面に出して,かえって混乱させてしまったかもしれない.たが,このような法則が出てきたときに無批判に信じないようにしてほしいことがその意図である.外力がないときに,質点が静止あるいは等速直線運動しているようにみえる座標系が設定できることが一つの意味である.是非,その意味をみなさんでよく考えて欲しい.
次に,第二の法則を説明する.こちらの法則は,運動量の変化と力との定量的な関係をしめしている.これは運動方程式と呼ばれている.この方程式の等号は数学的な意味の等号ではありません.右辺と左辺は全く違うもので,これが等号で結ばれることは数学的に示されるものではないです.前回の講義で,運動を予測するための一つの方法をお話したが,何の物理的な知識を無しに精度よく未来を予測しようとしたら,加速度,超過速度,超超加速度が必要になりそうなのだが,この第二法則では加速度を力なるもので与えるていて,超加速度が登場することはない.さて,この第二法則の見方は左から右にみる見方と,右から左からみる見方では微妙に意味合いがちがう.今日は左から右に見る話しをしたが,つまり,運動の状態が解かっているときに,そこに働く力を求めることができる.逆に,力が解かっていると運動が予測できるわけである.わかっていなくても,予想することで,運動の予言ができ,真相は実験で確かめてみることができる.これが能動的な実験の例である.次回はこの右から左に行く説明からはじめたい.
最後にレポート問題を配って,簡単に題意を説明した.
なし.なんにもないとさびしいもんです.次回は何かもっていくことにしよう.
今日はレポートを出しました.簡単な問題から,よくわからない謎の問題まで出してみました.ご堪能ください.レポートの〆切は5/6とします.
今日は講義中にも質問が出てきて,いい感じでした.その調子でドンドン突っ込みをいれてください.これからは物理的な議論をどんどんやっていきたいので,そのときにも不安がらずに,遠慮すること無く質問してください.
- c=axbの方向はどうやってわかる.
まずは,cとbやaとの内積がゼロでであることを説明する.このことから,どちからも垂直方向に向いていることがわかる.上か下かの自由度は我々が勝手に決めることにする.先週我々は右手系を選ぶことにしたので,そこから一つの方向が決まる.
- d(mv)/dt=dm/dt v + m dv/dt?
質量mが時間変化する可能性までもふくめて考えたことが不思議であったようだ.例えば,ロケットの運動保定式を考えてみると,ロケットは噴射して自分の質量を減らしながら進んでいる.そんな場合は第一項もちゃんと考える必要がある.中高で出てくる,F=maというのは,mが時間変化しない特別な場合だけ成り立つことがわかる.
- Fは外力?
そうです.といったら,そのまま帰って行った.よかったのかな.内力とかが出てこないかぎり,外からの力ですね.
- 行列式???
ベクトル式は行列式をつかっても書けるよ,と説明したら,後から「行列式」とは何かと効かれた.それがわからないと,新しい情報はなかったですね.ベクトル積の定義をどうやって覚えればよいかという話なので,行列式をしらない場合はその手は使えないということだけです.
- レポートは英語でもOK?
言い忘れていました.当然英語でもOKです.
- レポート問題の間違い
問題1のA・(B)xCはA・(BxC)の間違いです.
- レポートは手書き?ワープロ?
当然どっちでもいいです.
- C^2?
これはC・Cの意味です.
むむっ.
ぼんさいです.「何歳だと思う」って聞き返してしまうくらいおじさんです.
そうですね.
まだまだ本番はこれからです.
あれば使いますか?あると2ちゃんみたいにならないかなー.
そうではないと思いますよ.叱咤激励されているのではないでしょか.先生は化学者ですが,極めて生物を意識されています.膜とかつくってるし...
うーん,どこがわからんのでしょうか.
自戒を込めて言わせてもらうと,「当り前」とそうじゃないことの堺目は極めて非自明です.自分の持っている知識がいつでも相手とも共有している「当然」のものと思っていると,いろんな他分野の人と有益な話ができなくなります.一歩譲って,相手の気持ちを察することは大事なことだと思います.
ここらへんのことですね.本当は上のところが面白いといいのだが...
センター数学?そうですか.物理でどうしてベクトルを使うのかはいつか話をしよう.
おお,外積もやりましたか.それは何かの役に立ちましたか?例えば,微分積分は絶対にいろんなことに役に立つ実益数学ですが,外積ってねー.そういえば,二次方程式の解の項式が中学の数学に復活するそうですね.役に立たないから無くなっていたようですけど,やっぱ役に立つと認識されたってことでしょうか.
おお.これを書いていなかったとは,失格ですね.