第10回のおさらい

今日のおしながき
  1. 線形応答理論
    1. 久保公式...補足
    2. 揺動散逸定理 (FDT)
今日のまとめ

先週は久保公式を出したところで終わったので,今日はその公式について最初に少しだけコメントをした.今日はこの式を使って,揺動散逸定理を出すことが目的である.そのための新しい情報は実はあんまりなくて,カノニカル相関のもっている対称性くらいである.まず,スペクトル表示することで,カノニカル相関と普通の相関関数の関係を明らかにしておく.それぞれスペクトル表示することで,相関関数の演算子の順序入れ換えの変形やおたがいの関係を見ておく.これらの関係式のレベルで,そーと古典極限を見ると,入れ換え対称性の回復やカノニカル相関と普通の相関関数の一致がに確認できる.

先週の宿題として,あげておいたカノニカル相関の実数性は今日は使うので,ここで示しておくことにした.ちょっとした変形ですぐに証明できる.カノニカル相関が実だとわかったので,先週にそれと関連付けられた緩和関数や応答関数も実であることがわかる.一方で,カノニカル相関と感受率との関係は久保公式でできているので,後は,時間に関する対称性から,幾つかの場合わけを考えて,ゴールの揺動散逸定理(FDT)が出てくる.具体的に,流れと変位について,それぞれ書き下して見る.この式は量子系で成り立つ式であり,古典極限をとると確かに以前にブラウン運動のときに示した,FDTとまったく同じものがでてくる.ちなみに,前日の相関演習での弓削くんの発表では伝導系でこのFDTが成立することが示されていた.最後にカノニカル相関でなくて,対称化された相関関数について少しだけふれて,今日の講義は終了にしました.

今日の宿題:
  1. サボった計算をうめよ.
今日の質問:
偶関数?
今日の雑談と反省:

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