第12回

今日のおさらい
  1. ファラデーの法則
  2. マクスウェルの変位電流
  3. マクスウェルの方程式
  4. ポテンシャルと波動方程式
今日のまとめと反省

今日は、前回大急ぎであった、ファラデーの法則から説明をはじめる。起電 力をローレンツ力にもとめることができる話をした。その原因は大きく2とおり あって、直接動く電荷に働く力と動く磁場から電場を介してくる力である。後 者はあからさまにファラデーの法則を与える。時間に依存する世界になっては じめて、電場と磁場が絡んだ法則がでてきた。
次にマクスウェルの変位電流の話でマクスウェル方程式が出揃うことになる。こ のあたりの話はどの教科書にも書いてある。歴史を知らない私でさえもその遍 歴過程に思いをよせるとちょっと興奮してしまう。ここで一度出揃ったマクス ウェル方程式をまとめておいた。時間が無かったので、じっくり堪能すること ができなかったが、質問にもあったとおり、静電場・静磁場の時には分離して いた電場・磁場がなんとも絡んでいるのがわかるし、静的な場合はちゃんと昔 の法則に戻るのも当り前だが、。。。。当り前だ。でも当り前のことがちゃん とできているのを確認するのは気持ちのよいことではないだろうか。
時間に依存した場合でも成り立つマクスウェル方程式をみると、当然?、ポテン シャルはどうなっているか気になることだろう(ほんとか?)。そこで静電ポテ ンシャルとベクトルポテンシャルで書き直してみる。途中でクーロンゲージで ゲージ固定することが楽にできるポイントだった。そうすると、スカラー・ベ クトルポテンシャルの満たす方程式が非常に対称性よい形で出てきた。

全体的な反省だが、理論偏重な講義であった。本当はもっと面白いのは実験なんだが、うまい題材を紹介する度量が私にはなかった。モータもってきたり、ダイオード光らせたりできたらよかった。それから、もっと例題を実験的なものにできればよかった。それはもっと進んだ電磁気で学べることを期待する。
今週のレポート問題
なし。
今週の宿題:
  1. 講義で定義したゲージ変換で実際に電場・磁場がゲージ不変になることを 確認してみよう。
今日の質問: 以前にあった質問に答えを考えてみました。PDFファイル 93KB。今日もわーとぎりぎりまでしゃべったんで、質問時間はなかった。

今日の雑談:

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Koji Hukushima (hukusima@phys.c.u-tokyo.ac.jp)