第4回のおさらい

今日のおしながき
  1. 静電場の物理
    1. ガウスの法則
    2. 立体角について,ガウスの法則の証明
今日の配り物
なし.
今日のまとめ

先週の最後にやった直線電荷の作る電場や,プリントで配った球殻の電場から,その電場と電荷の関係をガウスの法則的に見てみる.対称性のある場合へのガウスの法則の応用は高校の時にも出てきているかも知れない.対称性のある場合とはどういうことかを認識した後で,一般の閉曲面の場合のガウスの法則を示す.式をゆっくりみれば,最初に示した例がその特殊な場合であることがよくわかると思う.電場を求める例題は(難しい)積分を必要とするので,実際には綺麗な対称性をもった問題であることが多い.そうすると,実はガウスの法則を使うことで求まることが多かったりする.しかしながら,レポート問題では,そうせずに,ガウスの法則の前に電場を求める問題を出した.その意図は,そうすることで,ガウスの法則の美しさを実感して欲しいということであり,また,ガウスの法則で電場が求まるのは本当に対称性の高い問題だけなので,より複雑な問題でも積分して求まることを実感してほしかったからだ. さて,次にガウスの法則を証明してみることにする.

そのために,立体角という考え方を説明し,ガウスの法則を証明する.立体角自体は簡単な考え方だが,証明の時にはすごい威力を発揮する.なんだか,狐につままれた感じの証明(こう思うのは私だけ?)だが,一度ゆっくりと考えてみて欲しい.さてこの法則を示すにあたり,クーロンの法則との関係を考えてみたい.今日の話からわかるとおり,ガウスの法則は立体角の性質とクーロンの逆二乗則がうまい具合につりあっていることがわかったと思う.この結果からみると,逆二乗則は必然のように思ってしまうが,そうではないことをよく認識して欲しい.次回には,微分形に移行するために,ガウスの定理の話から入る.

今週の宿題:
  1. 無限に広い平板の作る電場をガウスの法則から考察せよ.
  2. 同じ結果を立体角の考え方を使って示せ.
  3. 球殻電荷が内部に電場を作らないことを,立体角の考え方を使って考察せよ.
今日の質問:
前回のレジュメのこの式変形わかりません.
三ページの一番上の式の被積分関数にrが抜けていました.指摘してくれてありがとう.修正版(PDF:67KB).本当に一ヶ所しか修正していないので,わざわざ印刷することはないと思っていますが,もし必要な人がいたら連絡下さい.
レポート問題の1は点電荷間の距離は固定されている?
図にはそれっぽく2本の線を書いていました.なんとなく,H2O型かと思いきや,そんな深い意図はなく,動けても,固定されていても結構です.どんな考察ができるでしょうか?
どうして,法線ベクトルは閉曲面の外向けを正にとるんですかね?
ぐぐっ,確かに.良く理解されていますね.ガウスの法則の肝はそこですよね.法線ベクトルの方向なんて,どっち向けにするかは人間の勝手ですからね.でも,「外向け正」ルールでなくなると,へんなガウスの法則になってしまいます.
今日の雑談:

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Koji Hukushima (hukusima@phys.c.u-tokyo.ac.jp)