第7回のおさらい

今日のおしながき
  1. 静電場の世界
    1. ストークスの定理と電位
      • 静電遮蔽
    2. 電気容量
      • コンデンサー
今日のまとめと反省

前回お話したストークスの定理についてのプリントを配る.説明はしていない.さらに,レポートの中だったかなー,立体角の使い方がわからんというコメントをもらったので,立体角を使って一様面電荷密度をもった平板の作る電場を求めてみる.以前にお配りしたクーロン電場を積分するよりは簡単に求められる(ガウスの法則よりは面倒かも).立体角のありがたみがわかるだろうか.それから,レポート1の解答例を示す.一番は,電気双極子の作る電場だが,それとは言わずに簡単にわかるところを求めて,rを感じてもらってから,一般の場合を求めるようにy問題を出した.解答例では,電位を求めてからgradして電場を求めてみた.この方がちょっと簡単.少しは髪の毛が下敷に引かれる理由にせまれただろうか.そらにさらに,球殻が作る電場を求めた.講義では立体角を用いたので,今度はクーロン電場から積分をゆっくりして求めてみた.観測点が球の中にあってもそとに あっても同じように求めることができて,中の場合はちゃんと0になる.最後に次のレポート問題を配った.

ここまで,30分くらいを費してしまう.ちょっとゆっくりやりすぎたかな.さて,今日は先週話しそびれたの静電遮蔽の話しをする.高校の教科書では等電位だから電場は無いという説明だが,それでは導体の外側でも同じことになってしまう.ありそうな状況をあらかじめしぼっておく必要がある.ここではガウスの法則を使って,幾つかの可能性にしぼっておいて,最後に導体内部を繋いだ任意の経路についての線積分がゼロであることから,とどめをさすという説明にした.まあ,これで携帯電話も普通に動いているわけで,少しくらいはありがたがってもいいかな.

さて,つぎに電気容量の話しをする.先日同僚と飯を食べながら,電磁気ではキャパシタンスとインダクタンスがちゃんと肌でわかるようになればOKだろうという話しになった.うーん,そういうもんなんだろうか.ともかく,その一つが今日でてきたわけである.導体に電荷を持ってくるとその時の導体の電位は電荷量に比例する(Q=CV).それ(C)が電荷容量である.なので,同じ電位の時は電気容量が大きい方が沢山の電荷が貯ることになる.まずは導体球の電気容量を求めて,地球を導体とした場合の電気容量を求めてみる.それから,あまり文脈はなかったが,今朝講義に出るときにドアでパッチっとなったので,その話しをする.つまり,導体に電荷が貯ったときに,曲率の大きくとんがっているところの表面電場が大きいことを導体球を使って簡単に示してみる.パチっとなる(空気の絶縁破壊の)条件は3.0X106V/cmである.これに最初に達したところ,大抵はとんがっている指の先が痛くなるわけである. 我々が若いころに「君の瞳は100万ボルト」という歌が売れた(年がばれる).それが1cmの距離に来るってことは確かにそれは事件ではある.

さて,導体球というのは電気容量としては大したことはないので,我々はよく使っている(きっと君の持っている携帯電場の中にも入っている)コンデンサーは導体を2つ持ってきて,電位差をかけて電荷を貯める.よく知っている平行平板の場合に電気容量を求めてみる.高校の時にでてきた公式である.面積が広くて平板間の距離が短い方が容量は大きい.この性質はまたかなり一般的ではある.容量を計算しようと思うと,導体間の電位差を計算する必要があるが,これは導体間の電場を線積分すればよい.ただし,これが高校生にもできるのは平行平板位に限られてしまう.もちろん,大学生にはどれでもOKなので,他の例も示しておいて,宿題にした.

ここでタイムアップ.電場のエネルギーまで行きたかったが,最初の説明が余計で時間が無くなってしまった.来週はここから.

今週の配り物:
ストークスの定理の説明とらレポート問題の解答例と..(PDFファイル.161KB)
今週の宿題:
今日の宿題は控えめにする.
  1. 導体球殻を二つ合わせたコンデンサーの電気容量を求めよ.
  2. 円柱上の導体の外側を同心に置いた筒で囲んだ場合の,単位長さ当たりの電気容量を求めよ.
今日の質問:
静電遮蔽のときに,電子が枯渇するくらい強い電場をかけたら,中に電場は洩れる?

それは洩れるよね.静電平衡の条件をやぶってしまってますからね.でも,どれくらいの電場をかければそんなことが置きますかね.見積もってみるといいかもしれません.10円玉の銅がもっている伝導電子の数がわかれば見積もれますか?導体の形状も関係しますが,おおざっぱな評価だけならできそうです.非現実的なのか,雷くらいでOKなのか?どうでしょうか.

原子数が数層の薄膜導体を持ってきて,限界がつくれないか?

ってな話をしていて,そういう状況は電磁気の学問体系ではないのではないかと指摘される. うまく答えなくて誤解を与えたような気もするが,基本的には電磁気の体系だけど,原子や電子の運動をまともに見る必要があるとすれば量子論の世界が必要になる.でも,電磁気を忘れて別のことを考えるわけではないですよ.

やっぱ,先週の話がよくわからん...

ガウスの法則では電場は決まらんというのはどういうことかしばらく話をする. 「みんなはちゃんと理解できているのだろうか?」といわれてもそれはよくわからんけど,みなさんわかってますか?

投票用紙の裏から
もっと具体的な問題を沢山やって欲しい.
レポートは少ない方がよい.
今日の雑談と反省:

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