第12回のおさらい

今日のおしながき
  1. 電磁誘導とマクスウェルの方程式
    1. あれこれ
今日のまとめ

今日はクリスマスイブなので,適当な話しをしようと思ったが,いまひとつネタが準備不足で困惑気味な話しになる.反省点は下の方に書くことにする..

まずは,レポートの解答例を配る.レポートの詳細はTAの学生さんに見てもらったが,最後に目を通して「赤」をいれておいた.その時の一般的な感想を述べることにした.こういう復習モードも時にはよいかもしれない.

今日は電磁誘導の話しをしたかったわけだが,どこまでツッコんで話すかを,前の一日悩んで,夜もずーと悩んでしまう.まずはこれまでに静電場と静磁場でやってきたことを概観する.それは,最終的にはマクスウェルの方程式と呼ばれるものにまとまる.それらは,きれいに電場と磁場とが分離した形になっている.時間に依存しない限りにおいては,それぞれが別々に思えるわけである.ところが,すでに磁場を導入するときに,(定常)電流を出発点にしたが,電荷は動いている.つまり,電荷を動かせば磁場が発生したわけであった.これは1820年のエルステッドの発見であったが,その逆過程があるかもしれないと思うのは自然であろう.それに対応する実験がアラゴーの円盤実験(1824)である.磁石をグルグル回すと,磁性を持たない(がたんまりと伝導電子は存在する)金属が吸いつけられる実験である.講義では強力な磁石をもってきて,(非磁性金属である)アルミの一円玉と銅の十円玉を試してみる.(前にテストしたときには,結構うまく滑った一円玉は講義ではしくじる.机の摩擦が大きかったようだ.ただ,素早く離そうとしても吸い付いて来るはず.これは講義でやりながら気づく.)

電場と磁場の混ぜ方についてあれこれ考えるが,一つの考え方として,ローレンツ力を元に磁場中での電荷の移動にともなう起電力に発生について考える.ここではれはれほれほれと計算して,起電力が磁場の時間変化と関係していることを示す.つまり,rotEが磁場の時間微分に等しく,もやは時間変化のある場の中では電場は保存場ではないことがわかり,結果として電場と磁場が混ざっている.最後にこの式の簡単な例題である渦電流の話しをするが,これが先のアラゴーの実験の解釈になっている.他にも,電磁調理器や電車のブレーキにも渦電流が使われていることを話す.そして,本当の最後にパイプ中をゆっくり落ちる磁石をデモとして示す.なんだか時が止まっているかのようにみえるこの癒し系デモは是非学生さんにやってほしかったのだが,手伝ってくれる学生さんはいなくて,おじさんは少し淋しかったぞ.講義の後で二三名の学生さんは遊んでくれたんだけど.もっと沢山デモを準備できればよかったと反省する.

今週の小道具:
  1. 強力な磁石
  2. 一円玉,十円玉
  3. パイプ
  4. ゼネコン(今日は登場せず)
今日の配り物:
レポートの解答例と宿題の答えとか..(PDFファイル.111KB)
今週の宿題:
  1. 磁束の時間変化になる最後の式変形はちょっといい加減だった.答は正しいけど,途中をサボってしまった.その過程を詰めよ.
  2. 電車のブレーキに渦電流が利用されていることを話したが,どのように使われているか調べよ.
今日の質問:
今日は質問があんまりなかった.
レポート問題で,境界の値はどうするか?

今日の雑談と反省:

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