第13回

今日のおさらい
    解析力学と電磁気学
  1. 一般座標
  2. 最小作用の原理と運動方程式
  3. 対称性と保存則(ちょっと触れただけ)
  4. 荷電粒子系のラグランジアン
  5. 場の理論と場の運動方程式
  6. 電磁場の運動方程式
今日のまとめと反省

先週お知らせした通り、解析力学を使って、マクスウェルの方程式を見直してみた。解析力学の知識は前提としないで、そこから説明した。最小作用の原理から運動方程式が出てくる構造は物理ではかなり一般的である。質点系のニュートン方程式とほとんど同じことではあるが、荷電粒子系のラグランジュ方程式からローレンツ力が出てくることを示した。とはいえ、注意しなくてはいけないのは、解析力学にニュートン方程式の根源が潜んでいるわけでは決してない。同じような運動方程式が形式的に出せるというだけである。しかしながら、その構造には、最小作用の原理のような、いかにもありそうな原理があったり、対称性と保存則の構造が見やすかったりするのは楽しく、また何よりも美しいと思ってしまう(のはほとんど病気かもしれん)。
どうように電磁場にも拡張してみる。電磁場のラグランジアンからマクスウェルの方程式が場の運動方程式として出てくる。スカラーポテンシャルからガウスの法則が、ベクトルポテンシャルから、アンペール・マクスウェルの法則が出てくる。後者の計算の詳細は時間の都合上すっ飛ばしてしまった。実は、残りの2つはポテンシャルを導入するときにすでに埋め込まれていて、そこはずるいかもしれないが、4つのマクスウェル方程式が出てきた。しかも、あんなに簡単なラグランジアンからである。
ろくに変分についての説明もしていないので、大変困惑したかもしれないし、内容もテンコモリだったが、もし興味があればさらに勉強して欲しい。

    参考図書
  1. 大田浩一著 「電磁気学II」丸善
  2. 高橋康著「古典場から量子場への道」講談社サイエンティフィク
  3. 力学については、ランダウ・リフシッツ「力学」東京図書、とか他にもいろいろあると思う。

今週のレポート問題
なし。
今週の宿題:
  1. ベクトルポテンシャルについてのラグランジュ方程式からアンペール・マクスウェルの法則を導出しよう
今日の質問:
今日の雑談:

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Koji Hukushima (hukusima@phys.c.u-tokyo.ac.jp)