第11回のおさらい

今日のおしながき
  1. 静磁場の世界
    1. アンペールの法則つづき
    2. ベクトル・ポテンシャル
今日のまとめと反省

前回アンペールの法則まで説明し,直線電流の作る磁場を求めてみた.今日は,芒一つの例として,ソレノイドコイルのつくる磁場を求めてみる.本当は講義の前に,高校の教科書を復習して,どの程度の説明かを確認してから講義に挑むべきであった.後で確認したところによると,アンペールの法則を使って求めています.サボればよかったかな.(こういうところの意見を貰えるとうれしんだけどなー.最近は投票用紙の裏にもなんにも書かれていなくて淋しくなっています.)とにかく,手を尽くして説明する.ここで30分使ったので,一息いれて,レポート問題を配る.

次に,工程表の一部をもう一度書き直して,ポテンシャルを導入したくなる気持ちを盛り上げる.ただ,∇×Bはゼロではないので,そこからポテンシャルを導入することはできない.そこで,もうひとつの磁荷なし法則からいれてみる.つまり,B=∇×AとしたときのAをベクトルポテンシャルという.rotして,Bになればいいという制限だけではまだまだ大きな自由度がある.一つは,電位を導入したときと同じように,点数を足してもより.さらに,もっと激しい自由度として,∇・スカラー関数を足してもよい.それはゲージの自由度と呼ばれている.空間の各点にそれぞれことなる「測り」を置くことができるというわけである.それを縛る(ゲージの固定)ために,∇・Aを決めようとする.ここではクーロンゲージ(∇・A=0)を採用する.なぜクーロンゲージかは後で考える.そのために,Aの満たすべき方程式を求めてみる.これはアンペールの法則に定義を代入して得られる.ここで,クーロンゲージを課すことで,Aの微分方程式が出てくる.これはクーロンの法則から決まる電位Φの満たす方程式と同じである.これがクーロンゲージと呼ばれる理由である.さて,方程式が同じだと答えも同じであるので,何と何が対応しているかを確認すれば,ベクトルポテンシャルAの一般解がわかったことになる.よい形になったではないか.実はこの形,先週の講義の途中でも出てきている.ビオ=サバールの法則を書いた式を変形して,出てくると言えば出てくる.

さて,電流(密度)が与えられたときに,ベクトルポテンシャル経由で磁場を求める道筋ができた.個人的には磁場はどっちむいているかすぐにわからないが,Aの方向は簡単にわかる.その点だけがメリットであっても困るのだが,今言えることはそのくらいか.将来量子力学を学ぶときにもうちょっと驚くだろう(といって,問題を先送りにする.ずるい.)

最後に,例題を一つ出しておこうと思って,直線電流の作る磁場を三度求めてようと思う.ただ,時間がもうなかったので,宿題に回した.大体の概要だけは話したので,後は自分でできるだろうと思う.もっとも,来週はそのプリント(レポート2も)もお渡しする予定.

今週の配り物:
レポート問題(PDFファイル.13KB)
今週の宿題:
ちょっと宿題を出す.
  1. 一様な磁場B=(0,0,B0)が出てくるベクトルポテンシャルが,講義で書いた式になることを確かめよ.
  2. 直線電流が作る磁場をベクトルポテンシャル経由で求めよ.
今日の質問:
今日は質問があんまりなかった.
どうしてコイルの外でxy成分はキャンセルするのか?

絵をかいてもう一度説明.ここはアンペールだけではどうしようもないところ.

divとかrotの意味?

積分形にいけばそれっぽい意味はわかるが,微分形ではまったく意味がわからんが,どうしたらいいか.というのが問い.やはり,積分形に行くしかないのではないかと説明しておく.本当はそのままでも見えて来るのかも知れませんけどね.

今日の雑談と反省:

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