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電磁気B金曜2007おさらい5の変更点

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!!!電磁気B木曜第5回おさらい
!!今日のおしながき
* 1 静電場の世界
** 1-9 ガウスの定理

!!今日のまとめと反省
前回のガウスの法則をもう少し考え直してみたいというのが,今日の目的.最初に法則の積分形と微分形の違いについて話をする.夏学期の復習もかねて,力学の運動方程式と力積の方程式の関係についてざーと話す.もしこれらの違いについて考えたことのなかった学生がいるとするれば,それはそれで復習になっただろうか?法則なんて,いくら覚えてもキリがないが,その背景について考えてみるとためになることが多い.今日は微分形を目指そうというわけである.なぜそれが大事なのかは,力学の例からも理解できたかな.

さて,そのためにまずガウスの法則の積分の中身について感覚を養わないといけない.ここでは電気力線を導入することで,表面の積分で何が求まっているのか,とか,内部で何が起こっているかを想像してみることにする.左辺の積分は文字どおり表面から垂直にでている電場成分をかき集めたことだが,それは電気力線の数を勘定していると思ってもよい.電場は表面だけしかわからないが,電気力線はその性質から内部を貫いて,反対側へ飛び出しているというわけである.

次に,微分形にいくために,数学の道具をもってくることにする.それが今日の主題であるガウスの定理である.よく教科書には「発散定理」と呼ばれていることがある.発散はdivergenceであり,ガウスの定理の右辺に登場する{{tex \nabla\dot\vec{A}=div\vec{A}}がそれに対応する.このdivの心を理解するためにも,ガウスの定理の証明をやってみることにする.ここではあまり数学的に厳密さを追求せずに,素朴に左辺から右辺が導かれるようすを見てみる.ただし,任意の閉曲面での積分での証明なので,若干の工夫が必要である.これはガウスの法則(物理)のときのからくりとはちょっと異なる.まずは微小体積での証明をする.これは本当に定義どおり代入していけば右辺に到達する.この様子を偏微分とか法線ベクトルの方向とか基本的な定義を確認しながら板書でしめす.最後に2つくっつけたときの様子を示して,任意の閉曲面へつなげる.これをガウスの法則と組み合わせるとガウスの法則微分形が出てくる.

実はこれはクーロンの法則のすべての情報を持っていないことを簡単なデモをする.中学生にもわかる説明とともに,大学生チックな説明もする.足りない情報は...ここは天下り的に与えてしまうが,その物理的な意味は電位の定義に密接に関係する.そのあたりを来週の予告として概観して,今日の講義は終わる.もうちょっと行けるかと思ったが,ここあたりで区切りがよかったので,さくっと終了する.

!!今日の宿題
* 任意のベクトル場{{tex \vec{A} }}に対して,{{tex \nabla\cdot(\nabla\times \vec{A})=0}}であることを示せ.
* 静電場の法則として,ガウスの法則と{{tex \nabla\times\vec{E}=0}}を考えると,ベクトル場{{tex \vec{E}}}の3つの未知の関数に対して,条件式が4つになる.これは条件が強すぎて,解が存在しないということはないのか?

!!配布するファイル
*今日配った練習問題の解答例:{{ref Answer-EM-v1-1.pdf,電磁気B木曜2007おさらい4}}
*来週配る予定の練習問題の続き:{{ref Problems-EM-2nd.pdf,電磁気B木曜2007おさらい5}}
!!今日の質問
!なぜ電気力線が登場したのか?
*文脈がわからんということだった.積分の法則から微分の法則に行くときに,中身で起こっていることをイメージするために電気力線を登場させました.ガウスの法則の左辺で計算しているものは結局この電気力線の数のようなものなんだとわかると,表面だけでなくて,中でどうなっているかも考えやすいというわけである.
!電気力管の中に電荷が無いのはどうして?
*設定で,管中では電気力線の数は変わらないことを要請した.電荷があると電気力線の数が増えたり減ったりしますので,それはないというのが設定だということです.
!ガウスの定理の積分領域
*微小体積をつなげて,任意の閉曲面に行くために,まずふたつを考えて...このふたつがわかると実は自然に任意の閉曲面につながります.ところが,この学生のノートにはこの肝心の部分が抜けている!!!そこが論理として大事なとこなのにーと言ったら,「なんかそのあたりは直感的な議論のようで,厳密でなさそうだったからノートとらなかった」とのことでした.うーん,これは説明がわるかったというこtか.
!先週の電荷球の中に電場が無いのはどうして??
これ不思議ですね.今日配ったノートに計算で示していますが,それがわかったからといって,感覚的にわかったとはおもえないこともありますね.数式は数式.それは正しい感覚です.ではこの問題どうして電場は無いのでしょうか.球殻の一部分に注目すれば明らかに内部にも電場は飛んできています.それを誰かがキャンセルしているわけです.球の中心ならばわかるけど...と思っているのならば,中心からちょっとずらした所で考えてみましょう.

!!今日の投票用紙の裏より
特に無し.あんまり書くよう促してないからなー.


!!今日の雑談
*今日の投票数は,{{colorsize red,  6, XX}}でした.
*今日の投票数は,{{colorsize red,  6, 66}}でした.微増だが,これは明らかにレポートの〆切による効果と思われる.ともかく,レポートご苦労さまでした.赤入れて返します.このままどんどん増えてくれるといいんだけど,今回の講義はちょっと難しめでみなさん引き気味かもしれないなー.それでも熱心に聞いてくれて,大きくうなずいてくれる学生さんがいると,「どや,おもろいやろー」と心の中でつぶやいたりしているものです.
*さて,今シリーズの講義はテンション上がっているのにお気付きでしょうか?特に深い理由はありません.テンションあがると関西弁がでるので,西の生まれだとバレてしまいそうですね.そうです,私は京都出身です.この全体に漂う雅な感じは京都出身の影響です(ウソです).

!!今回のWEB投票
*今日の講義の出来は?
{{vote2 emf-2007-5,よい,ふつう,ダメ}}

!!今回の一行コメント
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{{counter2 emf-2007-5}}