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統計熱力学おさらい9の変更点

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!!!第9回おさらい
!!今日のおしながき
*3 統計力学の基本的な応用
**3-3 調和振動子から固体の比熱へ
***3-3-1 古典的な取扱い
***3-3-2 固体の比熱
***3-3-3 量子力学的調和振動子系

!!今日のまとめと反省
今回は調和振動子系の統計力学的性質を解説することが目的であった.まず,最初のその問題設定を説明し,一般のポテンシャルの平衡点近傍での微小振動が調和振動子でよく表されることを示す.これは力学のポテンシャル論のところで話されるべきわだいだろうが,私は力学では話さなかった(そのことはこの講義にはもちろん全く関係ない)のでここで話す.固体の熱振動との関連も話すことで問題の価値づけをしておく.その後は,統計力学の処方箋にしたがった簡単な計算をすればよい.エネルギー,比熱,エントロピーを計算して,グラフを描いておく.エネルギー等分配則との関係やエントロピーが低温極限で負に発散することを話す.Dulong-Petit則が等分配則でうまく説明できることはいいのだが,低温でのずれは全く説明できないし,負の発散はまずい.ではどの程度の低温になるとまずいのだろうか.それには温度をスケールの目安となる量が必要になることがわかる.そう思って,エントロピーの表式を眺めてみると,温度は{{tex \hbar\omega}}で規格化されていることがわかる.古典統計力学では位相空間を分割するなんだかよくわからな量がここで表に出てきているわけである.思わせぶりである.

次に具体的に固体の比熱に関する問題点をまとめて,それに対するEinstein模型の話をする.何が問題だったのかを考えてみることは面白い.悪いところがどこにあるのかは,実はいろいろありそうである.その一つを具体的に指摘したのがEinstein模型ということになる.量子論にまつわる話とかも交えて,量子版の調和振動子の計算に移る.

この講義の聴衆はある程度は量子力学をかじったことがある人が多いとは思ったけど,講義の内容は統計力学に必要な最小限にとどめておいた.その後の計算は,計算計算といっても,高校のときの無限級数の和を計算する程度である.エネルギーと比熱を計算して,高温での振舞いを計算しておく.せっかくの改良案がDulong-Petit則を説明できなくなるのでは話しにならないのだが,そこは大丈夫であった.さて,低温はどうなっているだろうか,というところでタイムアップ.次回はそこから.


!!今日の宿題
*古典的調和振動子のエネルギー等分配則を確認すること.具体的には練習問題12.
*今日の続きを考えておこう. 
!!配布するファイル
なし.
*{{colorsize blue, 3 ,(2005.12.15}}:{{colorsize red, 4 , 明日配るファイルを先行アップ}} {{ref note-ans-v3.pdf}}(PDF file).間違いがあれば指摘してもらえると助かります.
!!今日の質問
!Dulong-Putit則の3Rから落ちるところは物質に依存する?
そのとおりです.黒板に描いた図は悪かったです.横軸をうまく規格化すればほとんど同じ曲線に乗ります.このことはまた次回にコメントします.物質パラメータに依存するところと,依存しない結果について,講義では少し強調したので,ここで質問してくれるのはうれしい.Dulong-Petit則がこの統計力学的な模型から出てくる仕組みはほぼ自明だが,そのモデル化のところまで考えると,少し非自明ではないだろうか.

!これでは低温に{{tex T^3}}になりそうにない!
素早いですね.まったくそのとおりです.そのからくりもわかりますよね.この点もまた次回に.

!!今日の投票用紙の裏より
!ピクニック行きたい
そうですね.今日みたいに天気の良い日は.
!復習はやるときに丸一日,一度にやるもんで平均は分りません.
一度にやらずにちょっとづつもいいもんですよ.高校のときにZ会とか貯まるとやらなくなったでしょう.しかも...
!まったくやってないのでもはやなにやってんだか...
こういうことになってしまうもんです.

!!今日の雑談
*今日の投票数は,{{colorsize red,  6, 30}}でした.
*今日のアンケート: 「この講義のための復習時間は毎週何時間?
,してなーい,30分,一時間,2時間以上
,16,5,0,0
*予想していたとはいえ,実に見事に勉強しないもんですね.例えば,今日の講義は思いっきり寸止めなところで終わりました.実においしいところをぶら下げたまま終わったわけですが,そのときにちょっとだけやってみようと思いませんか?
*ちょっとやってみるという感覚がないと勉強していても意味がないように思います.それは,でも,全ての教科にみなさんがそんな感覚を抱くとは思えません.大学の講義の中で2・3個くらいしかないのかもしれません.だから,この講義で心が踊らなかったとしても,それがすぐに問題があるとは思いません.みなさんが早くそんな教科に出会えることを期待します.
*ただ,ほっておいて,ピーンと出会えるものでもないと思います.いま,どの教科にもピーンとこない人は,いつどこで共鳴していても大丈夫なように,どんな教科も少しずつ復習をすることは大切です.何も準備のないところに共鳴は起こりません.これは軽率なコメントかもしれませんが,いわゆるニートと呼ばれる人達に欠けているのは,この準備なんだと思います.じーとしていて,そのうちにやりたいことが見付かるとは到底思えません.アンテナはらずして,共鳴はなし,です.頑張って下さい.

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