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統計物理学おさらい8の変更点

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!!!第8回おさらい
{{colorsize red, 5, 書きかけ!!}}
!!今日のおしながき
* 3 統計力学の基本的な応用
** 3-2 二準位系

!!今日のまとめと反省
最初に,配ったプリントの説明をする.一つは以前の練習問題の解答で,いくつか飛ばしている問題があるが,その事情を説明した.下に添付したファイルには少しだけ飛ばした問題が追加されている.もし必要ならば眺めてみて欲しい.それから,もう一つは新たな練習問題であるが,少しは動機づけをした方がいいかと思って,問題の題意のようなことを説明した.受験勉強のように問題解きまくる必要はないし,そんなのは好きではないが,それでも問題を通じて理解が深まることもあるので,是非積極的に解いておいて欲しい.

さて,10分過ぎたところで,今日の話に入りたいのだが,先週は駒祭で休みだったので,少し復習をし,それから今日の目標に動機を付けるために「ゴム風船」で遊んでみる.一番前の学生さんにはお手伝いをしてもらいました.というか,ほとんど実験台になってもらいました.本当はみなさんにやってもらうのがいいのでしょうけどね.一度自分でやってみてください.

強く動機付けされたところで???,続きをやっていく.先ずは先週求めたエネルギーのグラフを描いてみて,何が起きているかを考えてみる.「計算したらグラフを描こう」ということは講義では口をすっぱく言い続けて行きたい.次に比熱の計算とグラフを描いてみる.エネルギーよりも無いが起きているか,想像力をたくましくしてくれるし,ミクロに起こっていることに思いをはせられるのも統計力学の面白いところだと思う.もちろん,ただ妄想するだけではない.マクロに観測できる量(比熱とか)のピーク等の特徴的なところにミクロな情報(エネルギーのギャップ等)があらわれているところがよい.ここで出てきた比熱の形,特に低温での振舞いは特徴的で,エネルギーにギャップ(とび)がある時に広くみられる形である.さらにエントロピーを計算して,とどめを指しておく.


最後にここでの結果をもう少し具体的な問題にあてはめてみる.一つは,磁場中の磁気モーメント(スピン)の問題で,外部からコントロールされる磁場と,スピンの揃い具合を表す磁化の関係を導く.本当は導くのではなくて,この文脈での問題設定を,先の二準位模型に当てはめるだけである.磁場の大きさが小さいときに,磁化とは線形の関係があり,そのときの比例係数が温度の逆数になる.これがキューリー則と言われている法則で,磁石にならない磁性体(常磁性体)で広く見られる.この問題を拡張したのが,今日の練習問題にある.

次にゴム男性の話をする.上と同様に問題設定を考えると,張力とのびの関係式が導ける.それはHookeNお法則である.さらにエントロピーの振舞いを考えると,ひっぱると熱く感じることの定性的な説明ができる.どうだろうか.

!!今日の宿題
*復習をちゃんとするように.
*講義で描いた比熱のグラフのピーク温度はいい加減だったかもしれない.ちゃんと求めておいてね.
*このメモを描きながら思い付いたが,比熱とエントロピーの関係を調べてみると,比熱の見方がまた面白くなる.

!!配布するファイル
*今日配った練習問題の解答例:{{ref note-ans-v2.pdf}}.若干の追加あり.
*今日くばった追加の練習問題:{{ref note-20051202.pdf}}
!!今日の小道具
{{ref_image rubber.jpg}}
*ひっぱったり,膨らましたり,はじけたりした風船ゴムと空気ポンプ.セットで100円ショップ.
*ひっぱったり,膨らましたり,はじけたりした風船ゴムと空気ポンプ.セットで100円ショップ.気体の膨張の話をしたり,ゴム男性の話をしたりと...100円ならば安いかな.残りは子供達へ.
!!今日の質問
!ゴムのところであれこれ
ゴムの問題設定のところで,ふにおちないところがあったようで,いろいろと議論をする.説明しながら,こっちの説明不足が明らかになったりして勉強になる.

!!今日の投票用紙の裏より
今日は右列左列それぞれに一つずつ長めのコメントをもらいました.
!二準位系によるゴムのモデルを考えるとフックの法則の「伸ばし過ぎない」場合にしか適用できないという事実に直面することになりましたが,それでは二準位系のモデルから得られた力の伸びの関係はどこまで現実とシンクロしているのでしょうか.
こういうのを講義中にしてくれると,講義が盛り上がるよなー.10分前にこの紙を取り上げて,その場で解答すると面白いかも知れないな.

!2準位系というきわめてSimpleなモデルで様々な現象が解析できるのは面白い!
まずフックの法則は力が弱いときに,伸びと線形関係があるというものですが,一般に力を強くしていけば,いずれ線形からずれて非線形の効果が見えはじめます.そして,いずればこれ以上引っ張れない状況に陥って,さらに引っ張ると破壊が起きます.たとえば,家にある輪ゴムを引っ張ってもそうなるでしょ.だから,これは一般的なことです.

さて,二準位系も線形領域からずれる性質は出てきました.これがどれくらいよいかどうかを論じるにはいろんなレベルがあって,まず先にいった現象をおおらかには説明できていると思われます.つぎにどれくらい詳しく説明できるかと言うと,それは具体的に力ー伸び曲線を調べてみて,それに当てはめてみなければいけません.そうすると,説明できないところがどんどんでてくるかもしれませんが,そこで二準位系の限界が明らかになるでしょう.そうすると,モデルを変更するとか,修正するとかしなければいけないでしょうね.

ちゃんと答えになっていないかな.是非,また議論しましょう.

!2準位系というきわめてSimpleなモデルで様々な現象が解析できるのは面白い!
いいですね.でも,こんなもんじゃないで,私が惹かれたのは.

!!今日の雑談
*今日の投票数は,{{colorsize red,  6, 77}}でした.
*今日のアンケートはなし.うーん,直前までどたばたしていて,気の利いたアンケートが思い浮かばなかった.
*今日の投票数は,{{colorsize red,  6, 77}}でした.もうこれ以上減らすわけにはいかないが,来なくなった学生を呼び戻すのはほとんど不可能だな.大体半分か...まあ,めげずに頑張って行くことにしよう.さて,次の密かな目標は,いつも最前列で寝ている君の目を覚ますことかな.風船持ってくるぐらいではびくともしなかったなー.{{colorsize blue, 4, 次は絶対におこしてやる!!!}} {{size 1, しかし,どうするどうする.耳許でささやくか?}}
*今日のアンケートは無し.うーん,直前までどたばたしていて,気の利いたアンケートが思い浮かばなかった.ちょっと余裕がなかったです,反省.しかし,おもちゃを持っていったのはよかったかな.その効果もあってか,一部の学生にはうけていたようだった.

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