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熱力学2007おさらい10の変更点

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!!!第10回おさらい
!!今日のおしながき
*第二法則
**エントロピーつづき
***熱の移動
***真空膨張について
*熱力学関数
**完全な熱力学関数

!!今日のまとめと反省
前回にエントロピーの定義を与えて,すぐにわかる性質として断熱過程のときの増大則を説明した.今回はもうちょっとエントロピーの性質を見ておいてから,自由エネルギーにいこうと考えた.まず,もっとも単純な熱源からの熱の移動について考えてみる.これは以前にも不可逆過程の典型例として紹介した.そのときはKelvinの原理との関係から不可逆なことをみたが,今回はエントロピーの観点から考えてみた.まずこの問題で前回みたClausiusの不等式が実際に成り立っていることを確認する.一般的な性質として証明したのだから,成り立つのは当り前だけど,例題でみるとまた新鮮な感じがする.一方で,この熱の移動の様子をもう少し考えると,体積一定の元でエントロピーが温度の単調増加関数であることが示せる.ちょちょいと示しておく.温度が高い方がエントロピーは大きいのである.内部エネルギーも同様である.そして,それは熱容量の定符号性と関係していることがわかる.さらに,そのことからエントロピーの一つの計り方を示しておく.やっぱり測れないとね.

次の例題は真空膨張である.これも一度お話したことがある話題だけど,改めてエントロピーで考えてみる.まず,理想気体のエントロピーをほれほれと計算しておく.ここでは真空膨張が不可逆であることはしらんぷりして,議論を進めてみる.断熱過程では可逆ならばエントロピーは増えないが,今の場合はしっかり増えている.ここから真空膨張は不可逆であることが結論出来る.これも第二法則を使った別の説明になっているが,おおもとは全て同じである.ここでは理想気体のエントロピーを求めたが,それができなくても一般の気体・液体でも真空への自由膨張は不可逆であることが示せる.これは宿題へ.

最後に,熱力学関数の話をする.もう時間がなくなってきたので,これまで出てきた状態量を概観して,どの状態変数を選べばよいのかを考えてみる.もちろん,状況に依存するわけだが,それでも自然な選択があるという話をした.ここで「自然」というのは主観的なように見えるが,ある量をみたときに状態方程式と熱容量がわかる状態量の組を自然だとする.詳しい話は次回へ.

!!今日の宿題
*エントロピーを定積熱容量,定圧熱容量を使って表す式を求めたが,これらを使って理想気体のエントロピーを求めよ.熱容量は温度に依存しないが,マイヤーの関係式があるように定積熱容量と定圧熱容量は気体定数分でけちがうことに注意せよ.
*一般の流体での自由膨張は不可逆であることを示せ.

!!配布するファイル
なし
!!今日の質問
!7/19の講義はあるのか?
その日は予定どおりに最終回の講義を行います.

!!今日の投票用紙の裏より
!別に多少なら話はのびてもかまいません.
冒頭で,できるだけはやく終わることを心がけると言ったことへの反応です.今日は3分前に終わりました.
!試験でどんな問題が出るのか不安です.
配った練習問題をきちんととけるようにしておいてください.
!絶対に授業のばしたらいけません.
!授業が延長されることよりも,説明が中途半端で終わることの方が困る.
絶対に10:30は越えないようにしています.それに,中途半端でおわることのないようにバランスはとっているつもりです.
!人数が前より増えてる気がします.
私もそんな気がしています.最終回が近づいてきて試験が気になるということでしょうか.それとも,前半が退屈だったということでしょうか?


!!今日の雑談
*今日の投票数は,{{colorsize red,  6, 61}}でした.ちょっと増えてると思ったが,実際はそうでもない.
*自分で言うのもなんですが,前回と今回は講義の仕込みに時間がかかって,それなりの仕込んである講義ができているつもりです.と言うか,こっちは非常に気持ちよく話をしているだけなんですけどね.きっと,20年前の自分もこれならば退屈しないかな?とか,これなら熱力学を嫌いになることはなかったか?などと考えていますが,きっとそうではないでしょうね.

!!今回のWEB投票
*今日の講義の出来は?
{{vote2 nr-2007-10,よい,ふつう,ダメ}}

!!今回の一行コメント
{{comment}}
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{{counter2 nr-2007-10}}