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計算物理ゼミ2014

計算物理学ゼミ2014のページ

内田先生が世話役をされている全学ゼミに理論物理学演習として、何かしらの古典的な教科書を輪講するゼミをこれまでに続けてきた。加藤(雄)先生と国場先生と協力して、やって来ました。今年から、一念発起して、それとは別の計算物理ゼミを始めることにしました。このページにはそのときの記録を残すことにする。。。ただし、ボチボチ記憶が消えないまでに書く予定。

目的

計算機がこれだけ身近になってきて、いや、身近になりすぎて、かえってブラックボックス化している昨今、もう少し計算機で遊んでみることを目的する。特に、ただ遊ぶのではなくて、物理の問題を数値計算することで、解くことの喜びを味わおうというわけである。これまでは「解く」=「数式が導ける」かと思うが、その殻を破ってみたいと思う。これだけのことをするなら、現代的にはネットにJavaなどのプログラムは落ちているし、大学の計算機センターなどではMathematicaなどの高度の数式処理ソフトがあるので、それで十分な気もする。ここで注意したいのは、それらの内部で動いているのは完全に理解可能な数式であるということである。そうであるならば、ブラックボックスとしないことで、自分でプログラムを書いて実感する方がなんぼか苦労する?!し、そして楽しいであろう。

本に書いてあるようにプログラムを書いたんですけど、なんか全然動かないです。。。

「自分は絶対に間違っていない」という根拠のない謎の自信を無くことも科学を学ぶ上で大事なことなんです。その後から一つ一つ組み上げていくところに理系人間の力強さがあるのだと思ってます。それを養いたい。「なんか出来た!」って喜んだ後に、「本当にちゃんとできたん?」って厳しく自問して乗り越えられるのが理系人間なんです。あれっ、ちょっと違う方向に向かってしまったけど、もうちょっと前に戻って、スクラッチからプログラム書ける人間を育てたいということです。プログラミングの知識は前提としない。初習外国語に取り組むつもりでプログラミング言語を学んで欲しい。

開始前

さて、何をやろうか?適当に言語を勉強してもらって、運動方程式を勉強して、非線形方程式を解いてもらおう。。。このざっくりとした構想にもなっていない計画を具体的な手順まで導いてくれたのは院生の酒井くんであった。最近になって認識したことだが、基礎科学科(今は統合自然科学科)では数値解析の講義をきちんとやっている。どうしてこの方法で問題が解けるのかといった数理を抑えているわけである。パーとやって、ポンと答えが出てくるのと訳が違う。その意味で、言語の講習ではなく、数値解析の基礎を考えるのはよい機会かと思う。この点を指摘してくれたのは酒井くんであった。彼はほぼ毎回参加してくれることになった。

pythonでもいいではないか?という説もあった。ライブラリーが充実しているので、とっつきやすいというのが理由である。私はまったく知らないので、自分が勉強しないといけない。Krauthさんにも強烈に勧められたけど、学ぶきっかけがなかった。今なのか?とも思ったが、今回はCにした。やはり、将来的にはスーパーコンピュータで動くプログラムを書けるようになってほしいと思うのでね、Pythonがそうなる日は…しばらくはないだろう。

第ゼロ週(4/21)

まずは、顔合わせ。今回は5名の学生さんが配属?になった。一年生が二人に、二年生が三人という内訳。力学の知識に差はあるが、プログラミングはほぼ差は無い感じである。毎週一度集まって、ゼミ形式で進めていくことを想定していたので、日程調整から始める。しかし…5名+我々の日程が合う時間はまずないものである。合わないもんですね。禁断の0限か?とも思ったが、さすがにそれは避けることにして、2つのグループに分けて、6限に行うことにした。水曜班と木曜班に分かれて、1年生の二人をそれぞれに分かれてもらって、二年生も都合に合わせて班分け。

非線形方程式

微分方程式の数値解法

微分方程式の解析

自由課題へ

さて、微分方程式が解けるようになったので、後は自分で好きな話題で遊んでもらおうとしました。何も話題がないものあれなので、私から幾つかの話題を提供しました。その中から課題を選んだが学生もいますし、自分で課題もあります。みんなが取り組んだテーマは次のような感じです。

  • 空気抵抗があるときのボール投げ飛行距離最大条件
  • メトロノームの同期現象
  • ローレンツアトラクター
  • 一次元ポテンシャルのシュレディンガー方程式
  • ブランコの漕げる条件

最終報告会(8/2)

このゼミ全体の最終報告会があった。我々チームも持ち時間5分で概要を説明。最近の若い学生さんたちは人前にでても堂々とトークできるので素晴らしい。ほぼ毎週集まって学んだことをダイジェスト的に説明してくれた。それではやっぱり話足らんということで、全体の報告会が終了して、ティータイムになったときに、各人が現状報告をしてくれた。とにかく、みんなが楽しそうに話しているので、こっちまで楽しくなる。よい報告会でした。


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最終更新時間:2014年08月28日 20時08分10秒