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今日の一言/2008-6-26

この年にして...

この本,シュレディンガーの「生命とは何か」を手にとる.有名な本であったが,大学のときに巡りあうことができなかった.そのうちに絶版.再版と品切れ状態が続いていたが,先日文庫本として再版の宣伝が新聞にあったので,書籍部で手にしたわけである.面白い.大学生のときに読んで,正しく面白がることができたかなー.とにかく,統計力学と量子力学を勉強する気にはなっただろうと思う.是非,みなさんにも一読をお薦めします.

http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/33/5/3394610.html

(追記)読んでみた.確かに量子力学の創設者の一人だけあって,量子力学からの帰結を力強く書かれている.もちろん,これは一般的な読みものなので,量子力学そのものについてはまったく書かれていない.これを読むと,量子力学を確かに勉強したくなる.一方で,統計力学はやはり強力でかつ美しい理論体系として随所に登場するものの,生物を考えるには統計力学では難しいところを相手にしなくてはいけないところがよく指摘してある.現代的な問題としては,生物もそうだが,ナノスケールを考える上での問題点がこの時代に指摘してあるのは改めてすごいと思う.ゆらぎの問題やマイノリティコントロールの問題である.これを読むと,学生の私は統計力学に惹かれなかったかもしれないと思う.統計力学の先の物理法則を考えないといけない...と言われて,若かりし学生の私が統計力学を勉強する気になるかという問題だ.この本の前に統計力学に出会っておいてよかった...

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最終更新時間:2008年06月27日 18時50分32秒