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今日の一言/2011-8-5

夏の一冊

なんとなく理学の面白さが伝わる一般本の紹介をたまにしているのだが,できるだけ参考書は紹介しないようにしてきた.それでも,少し注目に値する本を見つけたので,書いておきたい.今回は,帰省の新幹線で読むような本ではない.その本は,「演習詳解 力学」.

この本は東京図書から出ていたものを日本評論社から第二版として,この夏に出版された.復刊ドットコムにも挙げられていたが,出版社を変えて復刊?されたわけである.実はこの本は学生のときには知らなかった.知っていたかもしれないが,少なくともこの本と格闘した記憶はない.大人になってから,同僚の先生に教えてもらって,パラパラ眺めた程度であった.自分が講義のときに配る薄っぺらい演習書とは違って,本格的である.私の演習書のまえがきに「この本は腕組みしながら考えるような問題はない」と宣言してあるが,こちらの演習書はまさに腕組みしながら考える問題が集められている.しかも,この本の演習書のまえがきには「演習は解いてからがはじまりだ」と書かれていて,与えられた問題を解いていくうちに,その先を考えたくさせる本である(まだパラパラしかみていないけど,まちがいない).たとえばブランコ問題はパラメータ励振の例題として挙げられていて,共振条件が導かれている.最後に思わせぶりに共振条件のダイアグラムが書かれていて,それを導くのは宿題になっている.ちゃんとブランコが揺れる変なこぎ方もそこにあるはずである.気に入った二・三問を夏休みにじっくり取り組むのはどうだろうか?

以前に紹介した本たち

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最終更新時間:2011年08月10日 11時14分36秒