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今日の一言/2015-2-26

「定理が生まれる」

2014年度の業務はほぼ終了。

さて、春休みのお薦めコーナー。講義であくせくすることなく、時間的に余裕があるときにはじっくりと腰を落ち着けて、骨太な本を読んで欲しいと思う。自分が学生のころにはそんなことはしなかったので、反省の意味もあって、学生諸君には勉強することをすすめる。とはいえ、明確な目標がない学生さんへ刺激的な一冊を紹介しよう。

これは2010年のフィールズ賞をとったヴィラーニさんの本人による経緯をまとめた本である。まとめた。。。というよりも研究日誌のような感じ。研究ノートではないので受賞内容についての解説があるわけではなく、研究者の日常を綴り、悶々としている感じがダイナミックに描かれていて、数学者のぶっとんだ感じがよくわかる本である。興奮が伝わってくる。top of topの研究者なので、私のような三流以下研究者にはわからない感覚も多いけど、それでも刺激になる。若い学生さんにはもっと刺激になるのではないかなぁ。

この本の翻訳者の一人である池田氏は同じ年生まれの知り合い。統計学者なのだけど、翻訳も出来てしまう文化人なのだ。先日、彼のオフィスに行ったときにサインをもらおうとしたのだけど丁重に断られた。彼の本ではないからねってわけでした。とにかく、数式の部分は呪文のようだけど、それも含めて研究者の息遣いが伝わってくる一冊です。

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最終更新時間:2015年02月26日 07時17分35秒