集中講義2011
2011年度 京都大学基礎物理学研究所 集中講義 講義題目： ランダム系の統計力学の展開 講義担当： 福島孝治（東京大学大学院総合文化研究科） hukusima@phys.c.u-tokyo.ac.jp 日時： 2011年7月20日ー21日(台風のために延期） 2011年７月25日（月)--26日 概要: ランダム系の統計力学の一つの発展はスピングラスの理論が中心となった． そこでは，レプリカ法やキャビティ法，状態方程式の方法などのランダム変数 の取扱い方法が基礎になり，レプリカ対称性の破れや多数の準安定状態の 存在等が平均場模型の範囲で明らかにされてきた． それらの計算技法や概念 は，近年，多体相互作用系，ランダムネスのない系やランダムグラフ上の模型 での相転移現象に展開することで，構造ガラスにおけるガラス転移や制約充足 問題での解空間の構造転移に対して興味深い描像を平衡統計力学の範囲で与え ている．一方，それらの検証実験として，また平均場模型を越えた理論には， 数値計算が重要な役割を果たすと期待されている．この講義では，相転移理論 の基本的な考え方から始め，ランダム系の統計力学特有の各種手法を具体例を 用いて解説し，制約充足問題の話題など最近のトピックについて議論する． 0. ランダム系の統計力学概観 講義の目的，ランダムネスの取扱い 1. スピングラスの平均場理論 1を知るために無限大から眺める (スピングラス実験，レプリカ理論とレプリカ対称性の破れ，TAP理論 ) 2. 1段階レプリカ対称性の破れ なぜ一段階なのかということ (1段階レプリカ対称性の破れる例，1と連続が接するところ) 3. 平均場理論を越えて 有限次元のゆらぎに耐えられるもの (下部臨界次元と低温相の性質) 4. 最適化問題・制約充足問題への展開 ランダムにして個性をなくす戦略 (ちょっと息抜きに，数独の例（初日の夕方）) 5. 疎結合ランダム系の統計力学 Vertex Cover問題を例に 6. 格子ガラス模型の統計力学的研究 ガラスの平衡統計力学からのアプローチ 一日目 10：3０-�隠�8：3０ １0：３０-12:00 講義I 13:00-14:30 講義II 14:30-16:00 講義III 16:00-18:30 講義IV 二日目 ９：００-�隠隠掘В娃� 9:00-10:30 講義V 10:30-12:00 講義VI 13:00-14:30 講義VII 14:30-16:00 講義VIII 16:00-17:00 議論
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最終更新時間：2011年07月24日 16時55分38秒