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出席点について2012

出席点について

今年は講義で出席点をとりました.講義を受けた学生さんからも賛否両論でしたこともあり,こうしたことを行った記録は残しておこうと考えます.

これまでの出席についての考え方 --変わらないと思っていた信念--

「そもそも大学の講義で出席なんてありえない.大学生をバカにしているのか!」と自分が大学に入ったときにそう思ったことを今でも記憶している.まさか自分が大学で教育をすることになるとは思っていなかったが,やるからには学生のころの自分を楽しませる講義をしようと思うのは自然な発想かと思う.だから,絶対に出席なんてとらないと心に誓っていた.一方で,大学の講義のよしあしは学生の出席数が一つの大きなバロメータであるとも思う.授業評価アンケートを本学では実施していて、もちろんそれも気にするところである.それでもやはり出席率が重要だと思う.つまらない話をしていたら,学生はこなくなるので,別に媚びる必要はないが,学生数が減らない講義は目指すべきものであろう.出席とって学生数をキープするなんざ,ど素人だわな...

出席をとることの目的 --それでもなぜ出席をとろうと思ったのか--

UTライフのインタビューでも、出席率の重要性を言っていて,出席点は取らないと宣言しているのだが,それを撤回して,今回は出席をとった.一回目の講義のときに,学生さんたちにはその理由は説明したつもりである.幾つかのレベルの理由が存在する.学生さんに説明したのは,大学の講義に出席することの勧めである.これまでの経験から,講義に出てこないのは,上の層と下の層に大きく大別できる.この程度の講義なら聞く価値はない学生さんと,全く理解できずに面白みも感じることなく講義が遠のく学生さんである.後者は特に期末試験の結果に直接反映されるので,採点のときにはこちらの心も砕けそうになる.「高校のときの知識でやってみたけどダメでした」なんて言われたときには,まあなめるのもいい加減にしろというわけである.あの高校の熱力学と,本当に人類が到達した知見としての熱力学はちょっと同じには見えないと思う.エントロピーってなんなんだと,すんなり入ってこない概念にもがくのが大学の熱力学だと思う.だから,物理に興味がなくても人類の英知を見に来てほしい...もう何がどうなってもよいので,首根っこつかまえて講義にきてもらう...そのための手段の一つが出席点というわけである.

もう一つ別の観点は,上の層の学生さんたちに向けたものである.おそらく私のトークから得られるものはないのかもしれません.いや,そんなに熱力学に精通している学生さんもそうそういないでしょうから,じっくりと聞いてくれるとそれなりに得られるものはあるだろうとはちょっと思っています.でも,そこは大事ではなくて,できる学生さんたちには相互作用をして深い世界に突き進んで欲しいとわりと本気で思っています.そのときに講義の内容がダシになれば最高です.教科書レベルの話題ではみな同じように理解できるかもしれませんが,研究レベルになると個性の重要さが際立ちます.自分はこういう計算が得意であるとか,この実験で信号を拾えるのはあいつだけとか...

今年やったこと --手順など技術的な側面--

出席をとった結果 --成果はあったのか--

まとめと今後の展望 --それで,来年はどうする--

今回の一行コメント

  • (身分的に書き込みの資格があるのかどうか分かりませんが……) このページのお話は純粋に興味深いので、ぜひ更新をお願いします! - 2011年夏学期の受講生 (2013年01月05日 21時46分31秒)
  • ありがとうございます.ちゃんと続きを書くつもりでいます. - ふくしま (2013年01月05日 22時14分12秒)
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最終更新時間:2013年01月06日 14時30分24秒