トップ 差分 一覧 Farm ソース 検索 ヘルプ PDF RSS ログイン

大学院・統計力学2008おさらい1

第1回おさらい

今日のおしながき

  • 講義のガイダンス
    • 参考図書
    • 講義全体のおしながき(予定)
  1. 相転移と臨界現象とは
    1. 相転移

今日のまとめと反省

今日は講義のガイダンスとして,何がしたいかを主に説明しました.その前に,一般的な相転移の参考書を紹介しておいて,標準的な勉強のために必要な情報はそこから学べると思います.講義では,もうちょっとマニアックに,それらの教科書にはこちょこちょとしか書いていないことをゆっくりと解説する予定です.趣旨は古典論文を堪能しようということです.相転移と臨界現象は間違いなく統計力学的研究の一つの大きな成果だとは思うけど,そのなかでも100年たっても色褪せないだろう論文を大学院のときに学んでおくのはよいのではないかというわけです.今日はお品書きとして9つの項目を挙げました.一講義読み切りの連載12回の講義をしてみたいという構想は1年,準備は現在進行形です.この春の物理学会では同業者のみなさんにいろいろと基本的論文を聞いて回りました.共通する部分は多いのでそこは外せないのですが,はたして今回選んだものが標準的かどうかはわかりません.まだ決定的なものをはずしている気がするので,おいおい補間したいところです.この趣旨とラインアップをみて,来週の講義の出席人数が決まるかと思うと,今日公表したのは冒険なのですが,興味をもってもらえるとありがたいです.というよりも,来週3人だったら,それはそれで困るなー.

とこんなヨタ話をしていてもしょうがないので,残りの時間で来週からの準備を始める.いくらマニアックな講義をするからといっても,相転移についての説明をしないわけには行かないというわけです.相とは,相転移とは,と説明して,熱力学からわかることを説明して,統計力学的な研究の意義を強調しておく.言われなくてもわかることではあるけども,口にすると気がしまる感じがします.あっと,この辺りでしゃべったことで間違いがありました.下を参照のこと.

来週は臨界現象の基本的なところをまとめたあとで,Weissの分子場理論の紹介です.あまりにも基本的なことかもしれませんが,ちょっとおつきあいください.この元論文は1907で,今から101年前.私が大学4年生のとき(おそらく)に図書館からコピーして読んだ論文で,コピーをとって緑のファイルに閉じてあったことまでは覚えているのだけど,残念ながら研究室にはつからない(整理が悪い...).いろんな教科書に書かれているWeiss理論を見ると,時代背景からちょっと不思議に思うことがあるんだけど,そういうこともちょっと話してみたい.そして,最後はTAP方程式にもっていく予定.

今日の宿題

なし.来週からは講義で飛ばした部分の補間をここにも書く予定です.

今日の質問

文献は教えてくれる?

  • そもそもこの講義の目的は,基本的な論文をみなさんに紹介をすることが趣旨なので,もちろんYesです.最初に全ての文献リストを渡してもいいのだけど,準備が整っていないので,各講義で順々に小出しにします.最後にはまとめたものをお渡しできると思います.一つの講義で一つの論文が完全にレビューできるとは思っていないので,内容に合わせて,論文のオーバービューをしてみなさんにじっくり読んでもらう機会になればよいかと思います.さらにできれば,「その後」も少しくらいは解説できればと目論んでいます.

GLは本当に必要なのか?

  • いきなり,速球をうち返された感じですが,話してみると,繰り込み群にいく前に相当に長いGLの章がある本だと,気持ちが萎える(ここは私の勝手読み)ということらしい.そこで,上の質問が出てきたわけだろう.うーん,気持ちはわかるけど,相転移の歴史的には絶対に外せない仕事ではあります.あっと,私のリストに入ってない...あまりにも標準的すぎていれてなかった.これはちとまずいな.

固体の秩序変数とは?

今日の雑談

  • 今日の投票数は, 25でした.大学院なので,来週からはもう陽には投票用紙は回さずに目算することにします.今日は第一回だったので,みなさんの名前と研究室を見てみたかっただけです.実験の研究室の学生さんも,しかも化学から聴きにきてもらって,さすがに駒場な感じが出ているぞ.さらにちょっと懐かしい顔も発見.基礎科の統計力学の受講者だったので,もう何年前だ??2年半?
  • そんなことより何より,今日は話していて変だなーと思っていたのですが,相図は間違っていました.Gibbs-Duhemを使って,右辺を見るとエントロピーの飛びというか潜熱は正あることは熱力学から保証されているところですが,分母の体膨張係数の飛びは正ではないですね,水は.普通の液体は正な感じはするので,多くの固液相境界は今日の相図で定性的には正しい..といっても,我々の身の回りにある普通の液体は水なので,冷凍庫で盛り上がった氷が普通なのかもしれませんね.

今回のWEB投票

  • 今日の講義の出来は?
項目得票数
よい 106票 - 投票
ふつう 107票 - 投票
ダメ 94票 - 投票

今回の一行コメント

計算:3×3= お名前: コメント:

[ページのアクセス数: 0000194]

[ページのアクセス数: 0225080]

最終更新時間:2008年04月14日 21時29分11秒