大学院・統計力学2008おさらい4
第4回おさらい
今日のおしながき
- 3 Lee-Yangの定理I
- 3-0 背景
- 3-1 格子ガス模型とイジング模型
- 3-2 熱力学極限の存在
- 3-3 相転移と分配関数のゼロ点
今日のまとめと反省
今回から,Lee-Yangの定理の話に入る.ここでは,相転移と熱力学関数の特異性が密接に関係することを見る.さらに,統計力学的に相転移を議論するときに熱力学極限が本質的であることを議論する.これは平均場理論では明示的には意識しないところである.熱力学極限の必要性は必ずしも難しい議論をしなくても理解できるが,明示的に自由エネルギーの特異性と関係していることを理解するには,Lee-Yangの理論を勉強するのがよいだろうと思う.歴史的に,どの時点で無限系での特異性の重要性が認識されたのかは私はよくわかっていない.とにかく,今回はLee-Yangを見ることにする.論文はこの続きもの.
C.N.Yang and T.D.Lee, Phys.Rev. 87 (1952) 404. T.D.Lee and C.N.Yang, Phys.Rev.87 (1952) 410.
まずは,頭を慣らすために,Lattice gasの大分配関数とIsing modelの分配関数の対応を見ておく.ここから,自分のイメージの掴みやすい方で考えればよい.これはLee-Yangの第二論文に書かれていること.講義ではIsingモデルベースで話を進めるが,元の論文では格子ガスというか,前半は一般の気体に関して話が進む.そこでの条件は,ハードコアがあって,引力相互作用は有限で,引力ポテンシャルは有界であることが要請される.これはIsing模型でいうとどうなるかを考えることは教育的かな.
講義では,とりあえず,theorem Iを証明.2つのlemmaをあわせればできるが,そこで終了.思ったより時間がかかった.後半ちょっとうだうだになってしまった.最後にちょっとだけ,自由エネルギーの解析性について説明.さらに,一階微分をとった,磁化(圧力)の単調性についても説明.来週がLee-Yangの本番...
今日の質問
何の展開になっているのか?
どうして,下限を小さいボックスで抑えるのか?
今日の雑談
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最終更新時間:2008年05月26日 03時20分56秒