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大学院・統計力学2008おさらい5

第5回おさらい

今日のおしながき

  • 3 Lee-Yang の定理
    • 3-3 相転移と分配関数のゼロ点
    • 3-4 Lee-Yangの定理III
    • 3-5 ゼロ点分布と熱力学関数

今日のまとめと反省

先週の続き.Lee-Yang論文は2部構成なので,講義2回使っても許されるかと,少々開きなおって2回目に突入.前回,あまりにも進まなかったので,構成も考える.証明駄毛をやっても,物理がわかった気にならないようではまずいので,今日は証明はいい加減にする.まずは,theorem IIを説明.そこから分配関数のゼロ点の位置と熱力学関数の解析性の関係を議論できる.証明は完全に省略して,相転移に関して何が言えるかを絵を書きながら考える.先週の最後に話した単調性や連続性が絵を書くときには大切.相転移が起こるときの,一次転移や二次転移の場合を考える.

ただ,Lee-Yangの定理IIでは,ゼロ点がどこにあるかについては全く言及しない.もし実軸になければ,その領域で解析的であることがいえる.そもそも有限系では実軸にはないし...しかし,theorem IIIではゼロ点の位置について強烈な制限を与えている...ここは証明も面白いので,証明を追っかけてみる.マニアックに突入.かなり一般的に証明しているので,証明されるクラスもわりと広い.最後にゼロ点分布と熱力学関数の関係を説明して,時間切れ.どのように,非物理的に見える虚数解の分布が観測可能な物理量と関係しているのかについてはおーざっぱに話す.その後の展開について話していたら,5分くらいオーバーしてしまう.あー,あの部屋の時計はちょっと進んでいるか...

今日の宿題

配布するファイル

今日の質問

非平衡系ではどう?

実軸が物理的な領域だと説明したら,実数場でない状況を考えたらどうなるか?と質問された.例えば非平衡系とか.虚磁場を用いたハミルトニアンで表される問題もある.そうすると,まったく何も言えなくなる.有限系ですら変なことがおきてもよいような気がする.そういえば,非平衡系でLee-Yang theoremがどうなるかという話が記憶に残っている.タイトルだけで中身はどうかは判断出来ていない.文献は,cond-mat/0304120です.何か面白いことがわかったら教えてください.

ゼロ点分布は観測できる?

今日の雑談

  • 今日の投票数は, 19でした.ほぼ固定客がいてくれて感謝しています.基本的な話題でどのくらい楽しんでくれているかは,気になるところだけど,しばらくは気にしない.下のWEB投票に若干数の投票があるので,そこから何かわかるか??でも,これは聴講してなくても投票できるので怪しい.講義でのみなさんの雰囲気を観察するのが一番ですね.
  • Lee-Yang論文はそれほど分厚くなくて,証明の類はコンパクトに付録にまとめてあるので,その意味では読みやすい.講義で説明できなかった多くのことがまだまだある.電磁気との対応とか渋い内容とか,当時を感じさせるMayerの仕事に関係した部分とかじっくり読むとまだまだ楽しめる論文だと思う.そうそうtheoremIIの証明も飛ばしてしまったし...

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最終更新時間:2008年05月26日 03時45分39秒