電磁気2009おさらい5
電磁気学 第5回おさらい
今日のおしながき
- 静電場の世界
- ガウスの定理
- 電位
今日のまとめと反省
前回もらったコメントに対してゆっくりと答えを示す.それからレポート問題の解説をする.これで15分くらい使ってしまう.
講義ではガウスの定理の証明をしていなかったので、それをする.かなりルーズな物理的な証明だけど、本質的なところはそれで尽きている.任意の閉曲面で成り立つことを示す示し方は,ガウスの法則とガウスの定理だとまったく違って見えるところがおもしろい.さて、前々回のコメントで、ガウスの法則の方が一般的だから、そこからクーロンの法則に戻るべきだと指摘されたことに簡単に返答しておいた.一般的であることは確かであるが、これだけでは元に戻れない.その例を陽に示しておく.適当なベクトル場を持ってきて、ガウスの法則を満たす偽者電場を好きなだけ作れるというわけである.これをクーロン電場に縛る必要がある.つまり、まだ別に法則が必要だというわけである.これが今日の講義の後半のテーマである.
が、まあそのことは少し忘れて、クーロン力から求まる仕事の性質を調べる.仕事が経路によらないときに、その力は保存力と呼ばれる.高校の教科書にも載っているこの文言を真に理解するには大学の教養が必要である.保存場であることとローテーションがゼロになることが同値関係であることを説明する.そのためにはストークスの定理が必要である.これは,もう証明はやめて,定理の中身だけ説明しておく.青い練習問題には証明を載せてある.保存場であることから、ポテンシャルを定義することができて,それを電位、静電ポテンシャルと呼ぶことにする.これは単位電荷あたりの位置エネルギーになっている.例題として、球殻の作る電場と電位を計算する.そういえば、球殻の外側の電場を求めていなかったので、ガウスの法則をあてはめて求めて,そこから電位を計算しておく.電場と電位の関係は、力とポテンシャルの関係とほぼ同じである(電荷の分だけ次元がちがう).それらは線型関係なので、どちらにも重ね合わせが成り立つ.
最後にここまで静電場でやってきたことをまとめておく.お互いの関係が明確になったと思う.ここで、先の問題に戻ると、電位を定義するために必要だった条件、ローテーションがゼロになる、うずなしの条件がクーロンの法則に戻るのに足りなかった法則である.そのことを来週もう少し説明することにする.最後の最後に、みなさんへ問いかけをしておく.ガウスの法則はスカラーの式だから、条件は一つ.渦なしの条件はベクトルの式だから条件は3つ.さて、電場の三成分を決めるために条件が4つもあるけど、これは多すぎやしないだろうか?
今日の宿題
- クーロン電場のrotがゼロになることを示せ.
- 一般に,であることを示せ.
配布するファイル
- レポート問題:
- 不等号の向きが反対でしたので、修正版をここにおいておきます。report.pdf(232)
今日の質問
これこれ?
今日の投票用紙の裏より
あれこれ
今日の雑談
- 今日の投票数は, 59でした.ここ数回は非常に気持ちよく講義しているんだけど、単調に出席者が減っているのは困ったもんです.学生のころの自分だったら喜んで聞いているとおもうのだけどなー.まったく、自覚症状がないという最悪のパターンです.
- 今日のアンケート
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今回のWEB投票
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最終更新時間:2009年11月14日 18時37分58秒