電磁気2009おさらい6
電磁気学第6回おさらい
今日のおしながき
- 静電場の世界
- 導体
今日のまとめと反省
導体に入る前に、前回の最後につぶやいたことに対する解答をしておく.それはガウスの法則とうずなしの法則からクーロンに戻れるかということ.そのために,その二つを合体させて,電位の満たすべき方程式を求めてみる.特に注意することはなくて、合体させると一つの偏微分方程式がでてくる.ポアソン方程式である.これを解くことはここではやらないが,境界条件を定めたときの解の唯一性から何かを見つけてくればそれが解であることが保証されている.それでクーロンの電位がその方程式の解になっているのだと宣言する.本当はもう少し計算すればそれが確認できるが、そこはみなさんへの宿題とする.微分方程式をとくのは難しくても、解が解であることを確認するのは簡単である.残された問題は,二つの方程式を合わせると、条件が多すぎやしないかということだが、それは大丈夫で、3+1の4つの式は互いに独立ではないことがわかる.
さて、それで導体に入る.導体の性質を簡単にまとめておいて、ガウスの法則からすぐにわかることをいくつか説明する.多くは高校のときにきいたことのある話かもしれないが,基本法則からその性質が出てきているところは気持ちがよいのでないだろうか.その後には導体の一つの顕著な性質である静電遮蔽の話をする.これもガウスの法則と渦なしの法則から説明できる.少しゆっくりと、ありうる可能性を絞って、やはり空洞内部には電場は入ってこないことを示す.
最後に,残った時間で、鏡映法の話をする.これを講義で話す裏の理由は講義の最後に話すことにして,表の理由は先のポアソン方程式のある特別な解き方を具体的な問題でやってみることである.導体のある系での電場は電荷分布も求める必要があるのでその分だけ難しい.その様子を簡易的解法で見てみることにする.鏡映法のレシピーは簡単なので、それを説明して、点電荷+導体平板の話をする.いくつか細かな計算はサボリながら、アウトラインは示す.どうして、この話をしたかというと、実は最近の物性理論の研究の現場で、この鏡映法が渋く活躍していることを知り、その先生から駒場で鏡映法を教えているかと突っ込まれて、これは教えなきゃいかんだろうと思ったわけです.何が何の役に立つのかはわからないものなんです.
今日の宿題
- クーロン電位がポアソン方程式を満たすことを確認せよ.
- 競映法で,導体表面に誘起された電荷の総量がーqであることを確認せよ.
- 二枚の導体版の間に、電荷を置いたときの電場を求めよ.
配布するファイル
- なし
今日の質問
静電遮蔽の証明に本質的なところ。。。
結局、最後の仕事がゼロで、任意の経路で成り立つことから電場がないと結論できるか。というのは話題になった.仕事がゼロになっていて,電場がゼロでない例をつくるこごができるので、それまでの議論は大事です.あとは、いろいろ議論が必要ですね.
まっすぐの板でなくても,競映法はつかえるのか?
一般に成り立つかどうかはちょっとわからない.でも、球でも複数の導体板でも成り立つので,汎用性は少しはある.
今日の投票用紙の裏より
今日みたいに具体的だとやっぱり分かりやすい.内容自体も簡単だけど.
導体内部の空洞を通るループ。。。。
演習だけで電磁気を理解できますか?
黒板は番号通りに書いてください.
総合科目で微分方程式の講義があればなぁ
静電しゃへい不思議!
人のヘリがヤバい。。。
今日の雑談
- 今日の投票数は, 52でした.
今回のWEB投票
- 今日の講義の出来は?
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今回の一行コメント
- 最後まで更新できてないことが多いようですが、今回こそ完走を・・・ - 名無しさん (2009年11月29日 13時55分20秒)
- おおお。そうですね.ナイスなつっこみです.叱咤激励してくれるのはうれしいかぎりです. - ふくしま (2009年11月30日 22時12分30秒)
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最終更新時間:2009年12月01日 10時26分23秒